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新国立劇場初上演となるベルカント・オペラの傑作『愛の妙薬』の舞台稽古が3月18日にスタートした。
ドニゼッティ作曲の『愛の妙薬』は、純朴な青年ネモリーノが村一番の美女アディーナへの恋を成就させるため、ニセの惚れ薬を手に恋のアタックを繰り広げていくという物語。テノール屈指の名アリア『人知れぬ涙』をはじめ、魅力的な歌が数多く登場し、初心者でも気軽に楽しめるオペラ・ブッファ(喜劇)として人気だ。
新国立劇場初上演となる『愛の妙薬』舞台稽古では、まず遠山敦子理事長が挨拶。「今シーズンは『オテロ』『ヴォツェック』『指環』など非常に重厚な作品に取り組んできたので、今回の『愛の妙薬』では春らしい、明るく楽しい舞台にして欲しいです」と期待を込めた。
キャストには、一流オペラハウスで活躍する歌手たちが集結。ネモリーノ役のジョセフ・カレヤ、アディーナ役のタチアナ・リスニックはともにミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場、メトロポリタン・オペラなどの超一流オペラハウスで活躍する人気若手歌手で、新国立劇場初登場となる。そのほか、ドゥルカマーラ役にブルーノ・デ・シモーネ、ベルコーレ役に与那城敬、ジャンネッタ役に九嶋香奈枝が出演する。
指揮は、ミラノ・スカラ座など世界的オペラハウスで活躍するパオロ・オルミ。新国立劇場では『仮面舞踏会』『ナブッコ』『ルチア』に続く4度目の舞台を迎え「今回集った歌手の皆さんはまさにベストなキャストだと思います。『愛の妙薬』は明るく楽しい雰囲気のオペラですが、その中に込められた豊かな詩情を描きたい」と意気込みを語った。
続いて演出を手がけるチェーザレ・リエヴィは「美術のペーレゴさん、衣装のルクサルドさんは、私のアイデアを深く掘り下げてくれました。非常に色彩感あふれる舞台になると確信しています」と舞台稽古にいたる準備にも満足の様子。また演出プランについては「オリジナルで作者たちが語ろうとしたものに極限まで忠実にしていくことが重要。そのうえで物語の中で成長していけるキャラクター作りを目指します。ポイントは、この『愛の妙薬』という愛の寓話の主体が本だということ。アディーナが『トリスタンとイゾルデ』の本を読むところから、ネモリーノが自分の妄想を繰り広げていく訳ですから、私の演出も、本であり、ページであり、ひとつの物語である、という風に作りました」と語った。
新国立劇場オペラ『愛の妙薬』は、4月15日(木)より全5公演を開催。チケットは発売中。
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