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米倉涼子が主演する舞台『風と共に去りぬ』が6月3日より大阪・梅田芸術劇場 メインホールで開幕。併せて、出演者による記者会見が行われた。
マーガレット・ミッチェル原作で、映画やミュージカルでも知られるこの作品。南北戦争動乱期の1860年代アメリカ南部を舞台に、真の愛を求めて力強く生きた女性、スカーレット・オハラの半生が描かれている。開幕前に行われた記者会見で米倉は「人の気持ちの動きがわかりやすくて、現代にも通じる部分がある。ご覧の通り、とてもステキな衣装が多いので、見た目にも楽しんで頂けると思います」とコメント。スカーレットに好意を持ち、無償の愛で包むレット・バトラー役の寺脇康文はそんな米倉に「毎日毎日惚れなおしの連続です。彼女がノンストップで頑張ってる姿を見て影から応援しています」と愛情たっぷりの言葉をかける。
スカーレットは、思いを寄せるアシュレイが婚約者のメラニーと結婚してもずっと追い続け、嫉妬心を燃やす。そんな役柄に米倉は「メラニーとアシュレイがいちゃいちゃしているのを見て後ろから蹴飛ばしてやろうかと思う!」と、すっかりハマっている様子。また、大がかりな舞台美術や衣裳も見どころの壮大なドラマで、戦争シーンも緊迫感があり迫力満点だが、寺脇は「内面の気持ち、人間ドラマが深く掘り下げられている作品」と語る。実際、戦争に負けて生活が困窮したり、愛する人が去ってしまっても、故郷の地を思い、絶対に立ちあがろうとするスカーレットの強さが胸を打つ。一見、勝手気ままで周りに厳しくしているのも、愛する故郷の土地だけは守り、必死で生きようとするから。そんな彼女の姿を見て、何かを守るために強くなれる、人間の底力が伝わってくる。
米倉演じるスカーレットは気性の荒さや意地っ張りなところもかわいく見え、わがままな少女から何事にも屈せず強く生きる女性への変化を堂々と表している。バトラー役の寺脇は、皮肉屋でありながらもその裏には常に優しさを潜ませた、余裕を感じさせる演技で独特の色気を見せる。また、アシュレイ役の岡田浩暉は柔らかく愛情深い男性の印象を残し、メラニー役の紫吹淳は、誰に対しても同じように愛を与える女性をしっとりと好演。情婦ベルを演じる高橋ひとみも落ち着いた演技で舞台を締めている。
思い通りにいかない男女のすれ違いを楽しみながら、どん底から立ち上がろうとする姿を見てパワーを与えられる、人間の力があふれる作品だ。大阪公演は6月12日(日)まで。その後、東京・帝国劇場にて6月18日(土)から7月10日(日)まで上演。チケットは発売中。
取材・文:黒石悦子
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