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新国立劇場演劇、新シーズンの幕開けは“滅びの美学”をテーマに
2011年09月12日 17時30分 [演劇]
3作品合同制作発表より 「天守物語」
3作品合同制作発表より 「天守物語」

新国立劇場演劇部門の2011/2012シーズンの幕開けを飾るシリーズ企画、【美×劇】-滅びゆくものに託した美意識-」の3作品合同制作発表会が9月9日、同劇場にて行われた。登壇者は演劇芸術監督の宮田慶子ほか。

この企画は、同劇場の演劇芸術監督就任2年目に入る宮田が、日本の演劇人たちが日本人ならではの美意識をどのように作品に取り入れていったかをテーマに企画したもので、9月から11月にかけ『朱雀家の滅亡』『イロアセル』『天守物語』の3作品が上演される。昨シーズンでは翻訳物を取り上げた宮田は「今年は日本の芝居をやりたかった」と語り、「演劇は社会や時代を反映し変化を遂げてきたが、その中でも一本貫いていたもの、深いところでの日本人のアイデンティティ、日本独自の“美しさ”を探りたいと思った。そう考えると、日本人は滅びていくものや儚いものに強く惹かれる傾向がある」と企画意図を明かした。

また自身が演出を手掛ける三島由紀夫の『朱雀家の滅亡』に関しては「三島独自の美しい流麗なセリフと強いテーマ性に加え、登場人物が生身の言葉を吐露しているところに魅力を感じる」と話す。出演は國村隼、香寿たつき、近藤芳正ら。國村は「三島さんの本はリアルに心情を表現すれば“こんな華美な言葉いらんやろ”と思うのですが、稽古を重ねていくうちに、言霊といいますか、言葉がパワーを持ってくるのがわかる」とその魅力を語った。

第2弾は、宮田の「美意識という言葉が死語に近くなっている今、このテーマを受け留めていただくとどうなるのか」という投げかけに対し、倉持裕が書き下ろした『イロアセル』。倉持は「そのテーマを受け、マスコミ・ジャーナリズムが誕生し隆盛し、滅びるという話を寓話的に書きました」、また演出の鵜山仁は「しゃべる言葉に色がつき伝播していくという話。正直、こんなの初めてだなという作品です」とそれぞれ話した。出演は藤井隆、島田歌穂、剣幸ら。

3作目は泉鏡花の『天守物語』。演出を手がける白井晃は「30年くらい芝居をやっているが、和の世界は初めて。鏡花の世界を真正面から味わい、変なアレンジは加えずにやりたい。どういう日本を発見できるか楽しみ」とコメント。また出演の篠井英介は「日本独特のファンタジーを体現したい。またこの3作品を観て、“日本ってイイじゃない”と新たに発見する機会になったら」と語った。ほかに平岡祐太、奥村佳恵らが出演する。

それぞれ大正、昭和、平成に書かれた作品だが、この連続上演から浮かび上がる日本人の普遍的な美意識を改めて感じ取る良い機会になりそうだ。公演は、『朱雀家の滅亡』が9月20日(火)から10月10日(月・祝)まで小劇場にて、『イロアセル』が10月18日(火)から11月5日(土)まで小劇場にて、『天守物語』が11月5日(土)から20日(日)まで中劇場にて。チケットはいずれも発売中。

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