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より上質な作品創りを目指して、D-BOYS STAGE 10th『淋しいマグネット』の稽古がスタート
2012年03月06日 12時00分 [演劇]
D-BOYS STAGE 10th『淋しいマグネット』稽古風景 (撮影:本房哲治)
D-BOYS STAGE 10th『淋しいマグネット』稽古風景 (撮影:本房哲治)

ドラマや映画で活躍する新鋭を多数擁する俳優集団、D-BOYS。彼らのホームグラウンドともいえる舞台〈D-BOYS STAGE〉の記念すべき10作目となる『淋しいマグネット』の稽古がスタートした。

『淋しいマグネット』公演情報

『淋しいマグネット』は、スコットランドの劇作家ダグラス・マックスウェルによる原作をもとに、プロデュースユニット・案山子堂の御笠ノ忠次、映画『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』の監督・田中誠が上演台本を手がける作品。これまで世界8か国で上演されてきた本作が、小劇場界の実力派と人気映画監督という異色の組み合わせによってどう舞台化されるのか、この斬新な組み合わせにも期待したい。瀬戸康史と阿久津愼太郎、柳下大と陳内将、遠藤雄弥と碓井将大、荒木宏文と橋本汰斗の8人が全役Wキャストで、それぞれ異なる組み合わせの4チームで演じる。

稽古初日の顔合わせでは、まず渡辺ミキ総合プロデューサーが挨拶の中で〈D-BOYS STAGE〉のこれまでの歴史に言及。「最初の数年間はいい舞台を創ろうという思いとともに、俳優の育成も重視してきた。今回は演劇の本質であるいい作品づくりに全力を尽くしたい」と話す姿に、キャストは真剣な面持ちで聞き入っていた。『ティーンコート』(日本テレビ系)に出演中の瀬戸は「ただカッコいいという一面的なものではなく、芝居そのもののよさを見に来てもらえるような作品にしたい」と決意を語った。

いよいよ台本の読み合わせが開始。舞台を日本の海辺の町に置きかえ、4人の少年の9歳から29歳までの成長を追ったこの物語は、29歳の彼らが出会うシーンから始まる。最初から絶妙なテンポでセリフを読むキャストたちだったが、D-BOYS の舞台をこれまでに6作手がけている演出家・茅野イサムからは、読み合わせに参加している陳内に「ちょっとよそ行きの演技になっているな(笑)」と緊張している面々をリラックスさせるような言葉が投げかけられた。その後、9歳のシーンに突入すると、まるでやんちゃな少年たちがその場にいるようなはしゃぎ方を見せる4人。足をバタバタさせたり、お互いに表情を作り合い目を合わせたりと、読み合わせながら今にも立ち上がって動きださんばかりの掛け合いを見せつけた。これまでのD-BOYSファンはもちろんのこと、一般の演劇ファンも楽しめそうな見応えのある舞台ができあがりそうな予感が稽古場に満ちていた。

4月8日(日)から28日(土)まで東京・シアターコクーン、5月3日(木)から6日(日)まで大阪・シアターBRAVA!にて上演。チケットは発売中。

取材・文:釣木文恵

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