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星野源×長塚圭史×河原雅彦で贈る『テキサス』が本番直前!
2012年03月14日 14時17分 [演劇]
『テキサス』稽古場より
『テキサス』稽古場より

大人計画に所属する役者として、またミュージシャンとして、いま各界から注目を集めている星野源。そんな彼の初主演作『テキサス』の稽古場を、3月17日(土)の初日まであとわずかという某日、都内のスタジオに訪ねた。

『テキサス』チケット情報

元々は“HIGHLEG without JESUS/長塚JESUS”として、長塚圭史の作・演出で2001年に上演された作品。当時その“HIGHLEG JESUS”を率いていた河原雅彦が、今回は演出と出演で参加する。上演当時の長塚は26歳、河原は32歳。共に下北沢の小劇場界で中心となって活動していただけに、疾走感と熱気にあふれた本作が2012年バージョンとしてどう生まれ変わるか注目だ。一新されたキャストは星野をはじめ、福田転球、政岡泰志、伊達暁ら、小劇場の遺伝子を持ちながら今では多方面で活躍する面々。加えて活躍目覚しい木南晴夏と野波麻帆、舞台出演も多い岡田義徳と高橋和也、さらにベテラン松澤一之と死角なしのキャストが実現した。

舞台は東京から遠く離れたある村。恋人の伶菜(木南)と帰郷したマサル(星野)は、姉の聖子(野波)や長内駐在員(松澤)、友人のヤノケン(伊達)が様変わりしていることに驚く。かつて村に存在していた「一番大きな卵を産む雌鶏が一番の強者」という掟を信じて持ち帰った鶏も、ルールが変わったために村の強面・川島(高橋)の軍鶏にあっさり負けてしまう。伶菜を連れ去られ落胆するマサルに、借金の取立屋・四ツ星(岡田)は容赦なく返済を迫る。さらに姉の恋人・沼田(政岡)やヤノケンの友人の牛沢(福田)、マサルを好きだったという元同級生の千鶴子(吉本菜穂子)らも押しかけてきて……。

稽古場に入ると、ちょうど終盤のシーン。何かを背負ったような暗い目をして叫ぶ星野に、目をギラつかせて対峙する高橋という構図に目を奪われる。いったん芝居を止め、星野と高橋に「ここまでやってもいいんじゃない?」と自分でやってみせる河原。一筋縄ではいかないストーリーだけに、微細な方向性が要となるのだ。考えつつうなずく星野だが、それでも気負う様子はない。その後も周囲とのやりとりに集中していく表情に引き込まれた。短い休憩の後は、いよいよ荒通し。冒頭で実家に帰ってくるときの星野は、まだ笑顔だ。野波や政岡とのやりとりや、どこか弱そうな取立屋の岡田にはスタッフからも思わず笑いが。それだけに、次第に見えない闇に引きずられていく登場人物たちの生々しさに戦慄を覚えた。刻々と変わる演者の表情は、まさに舞台でしか見られないもの。劇場で体感する日を、楽しみに待ちたい。

公演は3月17日(土)から4月8日(日)まで東京・PARCO劇場にて開催。その後、4月14日(土)・15日(日)に大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、4月17日(火)・18日(水)に愛知・名鉄ホールにて上演。チケットは発売中。

取材・文 佐藤さくら

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