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キャラメルボックスが東野圭吾の名作を3年ぶりに待望の再演!
2012年05月14日 17時06分 [演劇]
キャラメルボックス『容疑者Xの献身』舞台より (photo:伊東和則)
キャラメルボックス『容疑者Xの献身』舞台より (photo:伊東和則)

ドラマ化や映画化もされ、すっかり全国的なブームとなった東野圭吾原作の“ガリレオ”シリーズ。帝都大学理学部准教授の天才・湯川学が独自の視点で事件を解決してゆくミステリーだが、中でもこの『容疑者Xの献身』は東野が直木賞を受賞した作品でもあり、深い人間ドラマに魅了されたというファンは多い。発表当初から原作に惹かれ、舞台化に動き出したキャラメルボックスの演出家・成井豊もそのひとり。今回は、大きな反響を呼んだ2009年の初演から3年ぶりの再演となるが、続投の岡田達也、西牟田恵、川原和久らに近江谷太朗と小林正寛も加わりさらにパワーアップ。初日に先駆け、公開稽古が5月12日に行われた。

キャラメルボックス『容疑者Xの献身』チケット情報

物語は高校の数学教師・石神(近江谷)が、アパートの隣に住む靖子(西牟田)の部屋で不審な物音を聞くところから始まる。数日後、隅田川の河川敷で男の死体が発見され、容疑者に被害者の元妻である靖子が浮上。さっそく警視庁捜査一課の刑事の草薙(小林)と上司の間宮(川原)は捜査に動き出す。そんなある日、草薙が友人で帝都大学准教授の湯川(岡田)に捜査状況を話すと、湯川の顔色が一変。石神は湯川の大学の同期であり、“天才”と認める頭脳の持ち主だったのだ。研究生活を送っているとばかり思っていた旧友との意外な再会に、湯川は戸惑いながらも石神の部屋へと向かうが……。

地味なセーター姿でうつむき加減に話す近江谷は、まさに平凡な教師のたたずまい。だが抑揚なくやや早口で話すその口調が、かつて才能を認め合った旧友との会話では微妙に色を変える。石神のよりどころとは、一体どこにあったのか。結末を知った後、改めてその表情を反芻したくなる石神だ。対する岡田は痩身に銀縁眼鏡が似合い、青年らしさが残る湯川。表情はシニカルだが石神にかける言葉は熱を帯び、同期でありながら対照的な道を進むことになったふたりの切なさが浮かび上がる。さらに本作のキーは、靖子役の西牟田だろう。美人だが、毎日を精一杯生きる靖子として西牟田が存在したからこそ、石神の想いがただの恋愛にとどまらないことが腑に落ちる。物語を引っ張る小林、意外な表情を見せる川原ら、周りのキャストも舞台を引き締めていた。

公開稽古後に行われた囲み会見では、東野の大ファンという近江谷が「映画版や前回の舞台版とは石神役へのアプローチを変えてみたんです。ぜひ観に来てほしい」と意気込みを語った。「“献身”とはどういう意味なんだろうと、ずっと考えています」という岡田も、「その意味をお客さんと一緒に考えられれば」とコメントした。公演が進むに連れて、さらに広がりを見せる舞台が期待できそうだ。

公演は6月3日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演。その後、6月7日(木)から12日(火)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、6月15日(金)・16日(土)に東京・THEATRE1010にて開催される。なお、チケットぴあではサンシャイン劇場と梅田芸術劇場のみ『容疑者Xの献身』の原作本付チケットも発売中。

取材・文 佐藤さくら

チケットぴあ

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