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坂田藤十郎、歌舞伎で被災者にエールを
2012年06月01日 18時51分 [歌舞伎・古典芸能]
坂田藤十郎
坂田藤十郎

人間国宝で歌舞伎俳優の坂田藤十郎が5月30日、都内で会見を行い、今夏上演される近松座30周年記念『松竹大歌舞伎 近松座公演』への意気込みを語った。

『松竹大歌舞伎 近松座公演』チケット情報

昨年、東日本大震災の影響でやむなく中止となったが、今年は震災の影響のあった岩手や福島も回り、改めて開催されることになった。会見で藤十郎は「昨年は震災が起こり、巡業に伺うことができませんでした。今年、また同じメンバーでやらないと言ってもらえたのでぜひ伺いたい。震災に遭われた方に少しでもわれわれの歌舞伎を見てもらい、喜んでいただきたい」と語った。

上方を代表する近松門左衛門の作品の上演を目的に、近松座を立ち上げてから今年で30年。当初は自主公演のような形ではじめたという。「江戸歌舞伎と上方歌舞伎、この両方が隆盛にならないといけないと思い、はじめました。上方の役者を先祖に持つ私としては、近松の作品だけを取り上げて、とにかく上方歌舞伎を一生懸命やるんだという気持ちで取り組みました」と当時を振り返る。

出演は、藤十郎のほか、中村翫雀、中村扇雀、中村亀鶴、中村壱太郎、中村虎之介と一門の役者が揃う。「30年前の第一回公演『心中天網島』の時は血縁(の役者)は誰も出ていなかったけれど、今回は上方歌舞伎の血の流れている役者が大勢出ていることに、深いものを感じます」と感慨もひとしおの様子。

「平成24年度(社)全国公立文化施設協会主催・中央コース『松竹大歌舞伎 近松座公演』は6月30日(土)から7月31日(火)まで東京、兵庫ほか各地を回る。また、演目は30周年を記念し、『お目見得御挨拶』『夕霧名残の正月』『曽根崎心中』を上演する。

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