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刊行から35年経ついまも、多くの人に愛されている佐野洋子の絵本『100万回生きたねこ』。この作品が来春、ミュージカルとして上演される。脚本は新進気鋭の劇作家、中屋敷法仁、戌井昭人、糸井幸之介の3人が手がけ、野田秀樹の監修により1本の戯曲にまとめる。演出は革新的なコンテンポラリーダンスを生み出すイスラエルの振付家、インバル・ピントとアヴシャロム・ポラック。この斬新な組み合わせによるステージで主人公のトラ猫を演じる森山未來、そしてトラ猫が初めて愛する白猫を演じる満島ひかりのふたりに話を訊いた。
「インバルとアブシャロムが関わるという時点で、一般的に想像するようないわゆるミュージカルとは全く異なった作品になると思います」と語る森山。初めてミュージカルに挑戦する満島に対しては「彼女自身が面白いから、それだけで舞台は成立するはず」と信頼を置く。元々この絵本が好きだったという満島は「新しいことがたくさんあるからどこまでできるのか不安もあるけれど、未來くんとは、心で通いあうよりも先に身体で芝居をやりあえる関係だと思っているので、ワクワクします」と笑顔をみせる。
森山と満島は2009年の舞台『ネジと紙幣』をはじめとして、ドラマや映画で度々共演している。「舞台の稽古のとき、不安でいっぱいだった私に『満島、まだみんなに信頼されてねえなあ、まあがんばれよ』ってからかうように声をかけてくれて、何かがふっきれて楽になりました」と満島が語れば、森山も「映画の撮影の合間にお互い『あのときのあの演技はあまりよくなかった』と言い合って、翌日言いすぎたなとお互い反省したり」と当時を振り返って楽しげに話す。
森山にどのような舞台にしていきたいかと問うと「この作品は声がこの高さまで出ればいいとか、身体がこれだけ動いたらいいというものではなく、もっと感覚に正直にその場で表現していけるかが大事になると思う。その部分に関しては満島さんの方が先輩です」と話す。ミュージカルというジャンルにひきずられることなく、まっすぐなスタンスでこの作品に対峙しようとしているようだ。対して満島は「森山さんは、いわば身体の先輩ですからね(笑)。私が頼りきったままで終わるかもしれないけれど、実は『あんなところを引き出してやろう』とたくらんでいる部分もあるんです。すてきな白猫になって、トラ猫を深く愛せたらと思います」。ふたりの掛け合いを見ているだけで新たな関係性が生まれそうな予感だが、それを伝えると「気付いたらハブとマングースみたいになっているかもしれない」と森山が笑った。
公演は2013年1月8日(火)から27日(日)まで東京芸術劇場・プレイハウスにて上演。その後、大阪、北九州、広島で巡演する。
取材・文:釣木文恵
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