タレント ニュース
映 画
監督・黒沢清×主演・小泉今日子でWOWOWで放送された『贖罪』。原作を手がけたのは映画化もされた『告白』の衝撃がいまなお記憶に新しい湊かなえ。DVDリリースを機に改めて湊が映像化された自作について語った。
迷宮入りとなった少女殺害事件。被害者の少女の母親は現場にいた娘の友人の少女4人に「犯人を見つけるか、私が納得する償いをすること」を迫るが、事件から15年を経て、彼女の言葉を胸に刻んだまま成長した4人が連鎖的に悲劇を引き寄せていく。
蒼井優、小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴が成長した4人を演じるなど、実力派俳優が集結したが、湊は特に被害者の母親・麻子を演じた小泉を絶賛。原作でも4人の視点を絡ませながら、麻子は時に素直で慈悲深い母として、時に盲目的に復讐の炎を胸に抱く鬼女のようにも描かれるが「小泉さんには一人の女性に対して様々な見方が存在しうるということを表現していただけました。小泉さんが演じてくださったことで、私の中での自分の小説の登場人物ランキングで麻子さんが『告白』の森口先生(松たか子)に肩を並べるくらいになってます(笑)」と称賛を惜しまない。
本作を含め自作の映像化について「監督の独特の世界観で新しいものを作ってもらえたという感覚で『よかったね、私の子供たち』という気持ち」と思いを明かす。湊本人が「映像化できないだろうなと思いながら書いている」と語るように、一人称の語りを中心にした彼女の著作には文章ならではの魅力があり、決して映像化しやすい小説とは言えない。それを自覚した上で、どのように映像化されるのか「誰よりも私自身が楽しみでしょうがない」のだという。
特に本作で湊が驚きをもって受け止めたのは最終第5話。「麻子さんが犯人と対峙しますが、原作ではここはたった2行なんです。黒沢監督の解釈によって完成した場面だと思うし、『ここでこの人たちはこんな顔してたのか』とあそこに連れて行ってもらったかのような気持ちになりました」と原作者の思惑を超えた映像作品ならではの魅力を嬉しそうに語る。
子供の頃から「テレビと読書が娯楽の中心だった」と語っており小説家デビューの前には脚本コンクールに応募したことも。トレンディドラマ隆盛の時期に高校・大学生活を送ったことで「その頃や子供時代に見たドラマが自分の財産になっていると思う」とうなずく。ちなみに好きな俳優は織田裕二。「私の作品に出てこないタイプでしょ?」と残念そうに笑うが、ぜひ今後、織田をイメージした人物を描き、実写化を実現させてほしい!
ちなみに、本作は、DVD発売を記念して19日(日)から9月7日(金)まで渋谷・ユーロスペースで特別上映される。
『贖罪』8月24日(金)より、発売&レンタル開始
DVDコレクターズBOX【初回生産限定】
3枚組(全5話収録) 8,990円(税込)
レンタル:前篇・中篇・後篇(全5話)
発売元:20世紀フォックスホームエンターテイメント
取材・文・写真:黒豆直樹
関連リンク(外部リンク)
関連タレント
映画のニュース もっと見る
-
映 画
2021年12月28日 17時52分 更新オンライン特別上映 JAM THE CINEMA Vol.2『エル プラネタ』 -
映 画
2021年09月14日 16時40分 更新佐久間由衣を主演に20代の悩みと心の揺れを繊細に描く -
映 画
2021年08月16日 13時57分 更新スパイだった実在の歌手描く映画『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』先行配信決定! -
映 画
2021年06月28日 10時33分 更新ヒップホップ黎明期を記録した伝説のドキュメンタリー映画「Style Wars」が先行配信決定! -
映 画
2021年05月17日 12時51分 更新映画『Style Wars』× JAM THE PLANET 特別オンライン上映会開催