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佐藤隆太、蜷川幸雄らが「お岩様」の墓参りで舞台の安全・成功祈願
2012年08月13日 11時12分 [演劇]
『ボクの四谷怪談』キャスト・スタッフらが「お岩様」の墓参りで安全・成功祈願 (撮影:小林由恵)
『ボクの四谷怪談』キャスト・スタッフらが「お岩様」の墓参りで安全・成功祈願 (撮影:小林由恵)

9月に東京・シアターコクーンで上演される『ボクの四谷怪談』。鶴屋南北の『東海道四谷怪談』をベースにした作家・橋本治による幻の戯曲を、“騒音歌舞伎(ロックミュージカル)”と銘打って蜷川幸雄が演出する。上演に先立ち、蜷川、音楽を担当する鈴木慶一、佐藤隆太をはじめとするキャスト・スタッフ一同が、『四谷怪談』ゆかりの寺社で舞台の安全と成功を祈願する参拝を行った。

一行は東京・豊島区西巣鴨の妙行寺にて「お岩様」の墓参りをした後、共に「お岩稲荷」と称される新宿区左門町の田宮神社と陽運寺へ。夫の民谷伊右衛門に裏切られ、恨みを残して悶死するお岩の物語は、日本の夏を代表する怪談話としてもおなじみだ。元々はお岩という実在した女性の名前を借りて南北が虚実ないまぜに描いた作品だが、『四谷怪談』上演の際にはゆかりの地への参拝が慣例となっている。

今回の橋本版は、「忠臣蔵外伝」とも言える原作の骨格は活かしつつ、1970年代風ファッションに身を包んだ若者たちの青春群像劇になっている。生きる目的を探しあぐね、迷い、焦り、右往左往する若者の姿は、時代を超えた鮮烈さをもって現代人の胸に迫る。

演出の蜷川は、過去に度々『四谷怪談』を手がけているが「『ハムレット』のように何度やってもやり残した感覚がある」と語り、思い入れは深い。1970年代には急進的な政治運動から転落していく若者を、2000年代に入るとバブルが弾ける中で転落する若者を主人公たちに重ねてきた。そして今という時代を「明確な敵も見えず、ふわふわとした中に明るい地獄絵がある」と捉える蜷川が、この作品にいかなる現代性を見出すのか注目される。「『四谷怪談』を軽やかに解体した、橋本さんの戯曲と巡り会ったのも何かの因縁。今までとは違うものを、自由に、奔放に作っていきたい」と思いを新たにしている。

そして全編を彩るのが、日本語ロックの先駆的存在、ムーンライダーズの鈴木慶一による音楽だ。台本には曲調や使用楽曲などの詳細な指定もあり、1970年代の匂いが強烈に立ちのぼる。「橋本さんの頭に響いていたであろう音楽を想像しながら作曲した」と振り返る一方で、アレンジには「ロックの“隠しアイテム”を沢山ちりばめてある」とニヤリ。『四谷怪談』のイメージには一切とらわれなかったという鈴木流ロックサウンドが、蜷川演出と刺激的な化学反応を起こしそうだ。

公演は9月17日(月・祝)から10月14日(日)まで東京・シアターコクーン、10月19日(金)から22日(月)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。チケットは発売中。

取材・文:市川安紀

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