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中村福助、亡き父を偲ぶ『娘道成寺』で「教わったことを大切に」
2012年09月07日 12時05分 [歌舞伎・古典芸能]
中村福助
中村福助

歌舞伎俳優の中村福助が、9月1日に開幕した東京・新橋演舞場の『秀山祭九月大歌舞伎』夜の部で、女方の舞踊の中でも屈指の大曲『京鹿子娘道成寺』の白拍子花子を勤めている。昨年9月の秀山祭が最後の舞台となった亡き父、七世中村芝翫を偲んでの上演だ。福助に公演への思いを訊いた。

『秀山祭九月大歌舞伎』チケット情報

『京鹿子娘道成寺』は、恋に狂った清姫が蛇となって若僧・安珍を鐘ごと焼き殺したという、紀州道成寺に伝わる安珍清姫伝説の後日譚とされている。ただし歌舞伎においては娘の執念よりも、若い娘の恋心を様々な形態で描き出す華やかな舞踊として、多くの人に愛されてきた。2年ぶりに舞う福助は、公演を前に息子・児太郎と共に道成寺を訪れ「歌舞伎役者だけでなく、本当にたくさんの方がなさっている、憧れの踊り」であることを再確認したという。

「踊りが得意だった父が2000年に“一世一代”と銘打って踊り納めたのが、この『道成寺』でした。“父を偲ぶ”という気持ちで勤めさせていただけることは、本当に有り難く感謝しております。『道成寺』は父から手ほどきを受けて、福助襲名の際には六世中村歌右衛門のおじに教えていただきました。ふたりに共通しているのは、品格を大事にすること、根底に“娘”というものが流れていることです。その教えを大切にしています」。今回後見を勤めるのは長男の児太郎だ。「受け継いできたものを、次の世代にバトンタッチしていきたい」という思いがある。

昼の部では『寺子屋』の千代を演じている。夫・松王丸の義理ある人のために幼い息子の命を差し出す、悲しくも気丈な女性だ。今回は我が子を身替わりにするため寺子屋へ連れていく「寺入り」から始まる。「切ないシーンですね。子どもを置いてきたという辛い気持ちを、楽屋に戻ってからも維持するように心掛けております」。松王丸は市川染五郎が演じる予定だったが、8月末の大けがを受けて休演に。「稽古で吉右衛門のお兄さんがとても詳しく教えていたので、私も楽しみでした。もちろん一番悔しい思いをしているのは染五郎さんですが、その思いを背負った吉右衛門のお兄さんが、精魂込めて松王丸を演じていらっしゃいます」。

9月15日(土)は夜の部開幕前にトークショーを行う。「今回はビフォートークなので、ちょっとしたポイントを聞いてから観ると分かりやすかったり、歌舞伎に親しみがわいてくだされば嬉しいです。歌舞伎は敷居が高いという印象が強いので、こういう機会をどんどん設けていきたいですね」。

『秀山祭九月大歌舞伎』は9月25日(火)まで、東京・新橋演舞場にて上演。チケットは発売中。中村福助のトークショー観覧にはトークショー付きチケットが必要。なおチケットぴあでは、トークショーとお弁当がセットになった観劇チケットを発売中。

取材・文:山上裕子

チケットぴあ

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