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北野武監督の最新作『アウトレイジ ビヨンド』の初日舞台あいさつが6日、東京・新宿バルト9で行われ、北野監督をはじめ、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、高橋克典、桐谷健太という豪華キャスト陣が顔を揃えた。
北野監督にとっては、16作目にして初の続編映画。ヤクザ社会の壮絶なる下克上劇を描き、大ヒットした2010年の『アウトレイジ』から5年後を舞台に、獄中死したはずの大友(たけし)が警察の思惑によって釈放され、関東VS関西の両巨頭がぶつかり合う抗争に身を投じる姿が、前作をビヨンド(超越)する極限のバイオレンスで描かれる。
「1作目は女性が見るに耐えないほど暴力的だったから(笑)、今回はストーリー的にもエンターテインメントの色を強くした。それなりにサスペンスの要素もあって、きっと女性も楽しめるはず」と自己分析する北野監督は、劇中の“笑い”にも言及し「別に狙っているわけじゃなく、緊張した場面には笑いが悪魔のように忍び寄るもの。結果、笑えるシーンになったが、笑わせるつもりはない」と断言。「このタイトルだって、考えたのはプロデューサーだもん。本当はタイトルを『朝のラジオ体操』にしたかった」と話し、観客を大いに笑わせた。
西田は念願の北野組に初参加して「感無量。『バカ野郎』『この野郎』なんて怒鳴ってとっても楽しいし、毎日スポーツジムに行っているような爽快感だった」とコメント。一方、三浦と加瀬は前作からの“生き残り組”だが、「ろくでもない形で頂点に上り詰めたから、今回はとんだしっぺ返しを受けた。こんなことなら、上り詰めるんじゃなかった」(三浦)、「僕もなるべくして、ああいう形になりました」(加瀬)と自らが演じた役柄に訪れる“悲劇”に苦笑い。
寡黙なヒットマンを演じる高橋は「怒鳴る代わりに、思いっきり(銃を)撃たせてもらって、無言で発散できました」と満足そうな表情。若きチンピラ役の桐谷は「その場の“ノリ”で撮影が進むことが多かった」と北野組の現場を語った。最後に「映画の登場人物で一番極悪なのは?」と質問された北野監督は、「そりゃ、テレビ東京とワーナー・ブラザースでしょ」と本作の製作会社と配給会社をまさかの名指し。「だって、ヤクザ映画なのに、バラエティでの番宣ばっかりなんだもん。これじゃ全然宣伝になってないって」と“たけし節”を全開させていた。
『アウトレイジ ビヨンド』
公開中
取材・文・写真:内田 涼
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