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川村毅と白井晃が初タッグ! 腕利きたちが練り上げる舞台『4 four』の味わいとは?
2012年10月19日 17時00分 [演劇]
左から池田鉄洋、高橋一生、白井晃 (撮影:西村康)
左から池田鉄洋、高橋一生、白井晃 (撮影:西村康)

“劇作家が純粋に、いま伝えるべきこと、伝えなければならないこと、描きたいこと”を時間をかけて形にしていく、東京・世田谷パブリックシアターのプロジェクト〈劇作家の作業場〉。『4 four』は、そこから立ち上げた戯曲を舞台作品として上演する第1弾で、11月5日(月)に開幕する。川村毅が書いた戯曲を白井晃が演出し、キャストには高橋一生、田山涼成、須賀貴匡、野間口徹、池田鉄洋と個性的かつ技量のある面々が揃う。稽古中の白井、高橋、池田に話を訊いた。

罪と罰を巡る奇妙な物語が、登場人物と俳優の身体との間を縫うように展開する。登場人物は、裁判員に選ばれた大学職員と、法務大臣、刑務官、死刑囚、そして“男”。出演者は各々が「F」「O」「U」「R」「男」として舞台に存在し、登場人物たち個々による膨大なモノローグを時に役柄を交換して演じていく、という二重構造となっている。

かつては、川村が第三エロチカ、白井が遊◎機械/全自動シアターを主宰し、小劇場ブームの中でそれぞれに潮流を作ったが、ふたりがタッグを組むのはこれが初めて。「両劇団が全く違う系譜に連なっていたので、本当に接点がなかったんです」と白井。戯曲については、「現実の事件を思わせるリアルさが川村さんらしいし、ところどころにウジェーヌ・イヨネスコ(不条理劇で知られるフランスの劇作家)のような上質な喜劇性もあったり。稽古は各モノローグと全員が集まる会話の部分とを交互にやっているんですが、繰り返すうちに役者が少しずつ変化していくのが面白いです」と新鮮に受け止めている様子だ。

高橋は言う。「モノローグは山に登るような苦しさがありますが、会話の場面では全員が下山して一斉に持っているカードを出すようなワクワク感がある。こういう風に時間軸も場所も人物も、次々に飛び越えていくような作品は演劇でしか表現できないもの。テーマはシリアスですが、稽古はひたすら楽しいですね」。一方の池田は「笑いの要素がない芝居もモノローグも、実は苦手。でも白井さんに誘われたら、自分を追い込みたくなって」と笑わせつつ、「一見複雑な物語だけれど、話が進むうちにある結末に向かっているのがわかってくる。演じる側にはそれを伝える緻密さが要求されると思うので、稽古場でもっと苦しみたい」と対照的な表情を見せた。

「高橋君には内在した狂気がある。池田君には内面に孤独感がある」というのが、白井によるふたりの印象。劇作家と演出家、俳優たちがピースを埋めていく。そして物語を最後に完成させるのは、私たち観客なのかもしれない。11月5日(月)から25日(日)まで東京・シアタートラムで上演。チケット発売中。

取材・文:佐藤さくら

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