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稲垣吾郎が中越典子の奴隷に!? 衝撃の問題作がついに開幕
2013年06月10日 17時47分 [演劇]
左から、ロス・エヴァンズ(日本版演出)、中越典子、ウォルター・ボビー(オリジナル版演出)
左から、ロス・エヴァンズ(日本版演出)、中越典子、ウォルター・ボビー(オリジナル版演出)

“マゾヒズム”の語源ともなったレオポルト・ファン・ザッヘル=マゾッホの小説『毛皮を着たヴィーナス』をもとに、2010年にニューヨークで初演の幕を開けた『ヴィーナス・イン・ファー』。トニー賞最優秀作品賞にもノミネートされた本作が、稲垣吾郎、中越典子という魅惑のキャストを迎え、日本初上演を果たす。その初日前日の6月7日、東京・Bunkamuraシアターコクーンで舞台稽古が公開され、稲垣、中越による囲み取材も行われた。

『ヴィーナス・イン・ファー』チケット情報

マゾッホの小説『毛皮を着たヴィーナス』を翻案、自ら演出も務めるトーマスは、主演女優のオーディションのため、あるスタジオにいた。だがオーディションは期待外れに終わり、失意のまま帰ろうとするトーマスの前に、役名と同じ名を持つひとりの女優ヴァンダが現れる。彼女の強引さに、渋々オーディションをすることになったトーマスだったが…。

稲垣が「ジェットコースターのような舞台。一度動き出したら、もう走り続けるしかない」と明かすように、物語は中越演じるヴァンダの登場から、怒涛の勢いでラストへと突き進んでいく。狭いスタジオの1室という閉ざされた空間の中、登場するのは稲垣と中越のふたりのみ。そこでオーディションという名の読み合わせが始まるのだが、ふたりは現実世界のトーマスとヴァンダ、劇中劇の青年セヴェーリンと未亡人ヴァンダの間を行ったり来たりする。矢継ぎ早に交わされる言葉は、会話であり、またセリフであり……。そのうちに劇世界は現実世界を浸食していき、ついには衝撃の展開を見せていく。

物語の根幹を成すのは、人が人を服従し服従させる、“サディズム”と“マゾヒズム”の関係性。女が男を奴隷にし、男は苦痛に最高の官能を見出す。それは一見、非常に特異な、別次元の出来事のようにも映る―実際、これは劇中劇で描かれる世界だ―。しかしヴァンダという謎の女性の登場により、日常を生きていたはずのトーマスにも、内在していた“マゾヒズム”な一面が見え隠れし始める。そんな誰もが持ち得る危うさこそ、この作品が多くの人を惹きつけてきた要因なのだろう。

稲垣は作品について、「SM的な要素もありつつ、それによって変わっていく人間関係など、すごく深いテーマが描かれている。いろいろ考えさせられる芝居です」と表現。すると中越は、「本当に刺激的で、大人っぽい、興奮する舞台。暮らしの中では得られないパッションを感じてもらえると思います」と舞台をアピールした。また稽古開始時から、「毎晩、エナメルのボンテージに身を包んだ中越さんが夢に出て来ます。夢の中でも支配されていますね(笑)」という稲垣の驚きの発言に、中越が笑って「すみません」と返すユニークな場面も見られた。

6月8日(土)から23日(日)まで東京・シアターコクーンにて。その後、6月27日(木)から30日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールでも上演。

取材・文:野上瑠美子

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