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最近は映像作品の脚本や映画監督としての活動が活発だった宮藤官九郎が、およそ2年半ぶりに舞台に帰ってくる。脚本・演出・出演・音楽を務める「大パルコ人2 バカロックオペラバカ『高校中パニック!小激突!!』」について話を訊いた。
向井秀徳やクレイジーケンバンドの横山剣など、宮藤と親交の深いミュージシャンが多数音楽に参加することで注目を集めている今作。「僕がふだん好んで聴いている音楽をつくっている人たちに、自分の芝居の音楽をお願いしてみたいと思ったんです。昔は芝居をやるとき、好きなCDをかけたりしていた。その感覚に近いですけど、今回は好きなミュージシャンにオリジナルの書き下ろしの曲をつくってもらうわけだから、贅沢ですよね」
参加ミュージシャンも多彩なら、出演者にも多種多様な顔ぶれが揃った。「佐藤隆太くんのように昔よく僕の作品に出てくれていた役者さんから、舞台が初めての永山絢斗くんと川島海荷さん、ミュージシャンの綾小路翔さん(氣志團)……。音楽にも出演者にも様々な人がいるし、いろんなジャンルのお客さんに観て欲しいですね」
ふだん舞台に興味のない人のアンテナにもひっかかってほしい。それは宮藤自身の経験から来る願い。「僕が中高生の頃は、ロックも演劇も映画も全部、雑誌『宝島』を読んで知った。それらを東京のカルチャーとしていっしょくたに浴びたことで、いまの自分がいるんです。でも最近は音楽は音楽、演劇は演劇、そのジャンルが好きな人だけが観に行くようになってしまっている気がする。それをミックスしたい。いろんなジャンルの人によってひとつのものができる方が、ワクワクするし」
そんな色とりどりの役者が演じるのは、高校同士の抗争だ。「僕を含め全員高校生じゃない人たちが高校生役をできるのって、舞台ならではですよね(笑)。ふたつの団体がお互いに攻撃しあってるんだけど、本当は憎しみあっているわけじゃなくて何かにイラついているだけという物語。昔からあるテーマですけど、単純に好きなんです。若い役者さんが多いから、アクションも取り入れたいなと思っています」
音楽と演劇の融合、ジャンルもキャリアもばらばらの出演者……。他にはない公演になりそうだ。「歳を重ねて経験も増えましたけど、それに頼ることなく、チャレンジ精神にあふれた公演にしたいと常に思っています」
久々の舞台にあらゆる要素を詰め込む宮藤のチャレンジを見届けたい。
『高校中パニック!小激突!!』は11月24日(日)から12月29日(日)東京・PARCO劇場で上演するほか、仙台、大阪、愛知でも公演。チケットぴあでは東京公演のインターネット先行・いち早プレリザーブを9月11日(水)午前11時まで、インターネット先行・プレリザーブを9月16日(月・祝)午前11時まで受付中。
取材・文:釣木文恵
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