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猿之助がシェイクスピア劇の悪役を怪演
2013年09月13日 18時16分 [演劇]
市川猿之助  撮影:渡部伸
市川猿之助  撮影:渡部伸

彩の国さいたま芸術劇場の芸術監督・蜷川幸雄の演出(監修)でシェイクスピア全作品上演を目指す“彩の国シェイクスピア・シリーズ”の最新作『ヴェニスの商人』が現在上演中。作品誕生当時の上演形態に則って女性役も全て男優が演じる“オールメール”作品としては第7弾となる。同シリーズには『じゃじゃ馬馴らし』(2010年)以来の出演となる市川猿之助に話を聞いた。

『ヴェニスの商人』チケット情報

オールメールの『じゃじゃ馬馴らし』ではまさにじゃじゃ馬な女形で強烈な印象を残した猿之助だが、今回は男性役。シェイクスピア劇でも有名な敵役であるユダヤ人の金貸しシャイロックを演じる。

「もともとシェイクスピアはそんなに好きじゃない。形容詞ばっかり言ってて、登場人物に共感できないんですよ(笑)。松岡さんの訳はものすごく言いやすいから、言っていて気持ちはいいんですけど」

だがこの『ヴェニスの商人』という作品には、歌舞伎俳優・市川猿之助として挑みたい理由があった。

「100年以上前、二代目左團次が明治座で『ヴェニスの商人』の法廷の場を『人肉裁判』として演じ、それが日本の新劇史のはじまりとなった。だから僕ら歌舞伎役者にとっても縁のある作品でシェイクスピアをやるならこれだし、1回やってみたいと思っていて。自主公演で歌舞伎の手法でやってみようかという話も出ていましたが、今回のような形で実現の運びとなりました」

女性が男性になりすまして活躍する法廷の場面や、貴婦人への求婚者たちの“箱選び”の場面など演劇的面白さが詰まっているが、同時に背景にある人種、宗教の対立といった要素も色濃い作品。ユダヤ人のシャイロックについても近年は様々な解釈がなされるが、「僕は勧善懲悪でいいと思う。シャイロックも単純明快に悪役。“越後屋”でいいんです」とキッパリ。「だいたい芝居でやってて、善人っていうのが一番面白くない。二枚目の善人なんて特に(笑)。三枚目とか悪役とか、極端な方が演じていて面白いです」

言葉のとおり、猿之助シャイロックはイキイキと悪役を怪演中。“猿之助歌舞伎”とでも呼びたくなるほど座長としての濃厚な存在感を見せつけるが、そこからは「芝居は娯楽!」という彼の思いが見て取れる。

「今の芝居からはエンターテインメントという面が忘れられている。何かメッセージを残さなきゃいけない、とかね。歌舞伎はそうじゃないんですよ。人殺しの場面で掛け声かかったり拍手したりして、『あー、楽しかった。でも何だったんだ?』で、それでいい。芝居全体がもう一度、そういう娯楽性に立ち戻っていいと思いますね」

公演は9月22日(日)まで。なお、チケットぴあでは9月14日(土)午前10時よりチケットの追加発売を予定。

取材・文 武田吏都

チケットぴあ

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