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『凶悪』主演の山田孝之、原作者からの手紙に「泣きそうです、ウソですけど」
2013年09月21日 18時52分 [舞台挨拶]
山田孝之

山田孝之が21日、新宿ピカデリーで行われた主演作『凶悪』の初日舞台あいさつに登壇。原作者である宮本太一氏から、山田の演技を絶賛する手紙が届くと「泣きそうです、ウソですけど」と照れ笑い。「もちろん、ありがたいです。原作やコミックといった比較対象がある中、映画として純粋に楽しんでいただけてよかった」と安堵の表情を見せていた。

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新潮45編集部編のノンフィクション『凶悪−ある死刑囚の告発−』を、故若松孝二監督に師事した白石和彌監督が映画化。山田演じるジャーナリスト・藤井が死刑囚の告発をもとに取材を続け、ペンの力で警察を動かして凶悪な殺人事件の首謀者を逮捕するまでを描いた。舞台あいさつには山田と白石監督をはじめ、死刑囚を演じるピエール瀧、“先生”と呼ばれる首謀者役のリリー・フランキー、藤井の妻を演じる池脇千鶴が登壇した。

ピエール瀧は「実在のモデルがいて、今も収監中。それに遺族の方もいらっしゃるなかで、間接的とはいえ関わりをもつのは…、正直イヤですよね」と思わず本音が。白石監督の熱心なオファーに加えて、「リリーさんがやろうと言ってきたので、やるハメになりました」と出演に至る経緯を明かしていた。一方、リリー・フランキーは「凶悪な役をやってみたいけど、一人じゃイヤだなって(笑)。だから瀧を道連れにした」と“凶悪”な笑みを浮かべていた。

また、山田とともに崩壊寸前の夫婦を演じた池脇は「難しいけれど、やりがいのある仕事だなと。撮影している間も『すごいことになりそうだな』という予感があった」と振り返る。白石監督は近年珍しい骨太な社会派サスペンスの完成に「確かにこういう映画は、作りにくい状況。でも作りたい人間と、観たいと思う観客がいて、ヒットしてくれれば、日本映画の多様性が生まれるはず」と期待を寄せ、「実際の事件を描くからには、自分が一番凶悪にならなければ。皆さんには無理を言いました」と過酷な撮影を強いられたキャスト陣に、感謝の意を表していた。

『凶悪』
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