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唐×蜷川が魅せる“演劇スペクタクル”。『唐版 滝の白糸』の稽古場に潜入!
2013年09月27日 21時55分 [演劇]
舞台『唐版 滝の白糸』稽古場より
舞台『唐版 滝の白糸』稽古場より

作・唐十郎、演出・蜷川幸雄による連続上演の第2弾。7月の『盲導犬―澁澤龍彦「犬狼都市」より―』に続き、10月に『唐版 滝の白糸』が開幕する。13年ぶり、4度目の上演となるこの唐の傑作戯曲に、蜷川は今どう向き合っているのか。折り返し地点に差しかかった9月中旬の稽古場を訪れた。

『唐版 滝の白糸』チケット情報

物語は主に、3人の登場人物により展開する。ゴーストタウンと化した長屋へとやって来た少年・アリダ。そんな彼の後をつける謎の男・銀メガネ。そしてアリダの兄と無理心中するも、ひとり生き延び、生活に困窮したためアリダに金を借りようと長屋へと彼を呼び出したお甲。この日の稽古は冒頭、アリダと銀メガネが出会うシーンから開始された。

やはりまず目を奪われるのは、銀メガネ役の平幹二朗。この銀メガネという男は、口から出るのはでまかせばかりの詐欺師なのだが、飄々と、コミカルに、そして時に妖しい光を放つ平の銀メガネは、不思議と非常に魅力的に映る。だがそんな平に対し蜷川は、「今自分が思っている10倍オーバーにやっていい」、「(銀メガネは)とにかく内容なしの、嘘ばっかりでいい」とアドバイス。そうは言いつつも、「気持ちでつなげられない芝居だから、役者は大変だよな」とも続け、唐戯曲に挑む上での難しさを、平以外のほかのキャストにも伝えていく。

無垢で純粋な少年・アリダを演じるのは、蜷川作品への参加はこれが初となる窪田正孝。彼自身から滲み出る初々しさは、まさにアリダそのもの。さらに感度の高さ、何にも物怖じせずに向かっていく姿勢には、俳優として大きな可能性を感じさせる。中盤、そのアリダの前に現れるのが、大空祐飛演じるお甲。大空は本作が宝塚歌劇退団後初の舞台であり、男役トップスターだった彼女にとっては11年ぶりの女性役。だがお甲として稽古場に立つ彼女は、女性としての華やかさ、切なさ、さらにはかわいらしさをも内包しており、女優としての新しい魅力を開花させている。

もちろん全編にあふれるのは、唐戯曲ならでは美しい言葉の数々。しかもその言葉は、字面で見ていたものに比べ、役者の体を通すことによってより一層の輝きを増していく。またこの日の稽古では見られなかったが、初演時、映画撮影所を劇場にしたことで実現させたさまざまな仕かけ、装置が、どう現代の舞台上に甦るのか。唐×蜷川のタッグでしか作れない“演劇スペクタクル”が、またも観客の度肝を抜くことになるであろう。

公演は10月8日(火)から10月29日(火)まで東京・Bunkamuraシアターコクーン、11月12日(火)から11月16日(土)まで大阪・シアターBRAVA!にて。チケット発売中。

取材・文:野上瑠美子

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