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エゴ・サーチを介して交差する、さまざまな物語の行方とは
2013年10月08日 14時50分 [演劇]
鴻上尚史  撮影:源 賀津己
鴻上尚史  撮影:源 賀津己

2010年の初演当時から再演を望む声が多数寄せられた、虚構の劇団『エゴ・サーチ』(鴻上尚史作・演出)。3年を経て、普通の人々までがインターネット上で自分の名前やハンドルネームを検索する「エゴ・サーチ」が当たり前になった今、満を持しての再演が決定した。今回は、劇団員に加えて牧田哲也と伊阪達也をゲストに迎える2013年版。稽古も佳境の鴻上に聞いた。

虚構の劇団『エゴ・サーチ』

物語は新人小説家の一色が、編集者の夏川から奇妙な話を聞かされるところから始まる。一色のことを知ろうとインターネット検索をした夏川は、一色のブログを読んだというのだ。覚えのないことに戸惑い、早速エゴ・サーチをした一色は、自分と同じ名前と経歴をもつ“誰か”のブログを見つける。されに男性デュオを売り出そうとする〈エゴ・サーチ・カンパニー〉の社員たち、女幽霊と沖縄の精霊キジムナー、そしてカメラマン志望の青年・広瀬と彼に貢ぐ女性と、いくつもの物語が交差するうちに意外な事実が明らかになってゆき…。

再演について鴻上は、「ネットって、少し前までは自分の現実から逃れるために補完物として使っていたところがあるけれど、今はもう“ネットも現実も両方とも自分”という感覚でしょう。だからエゴ・サーチをして自分の名前が出てこないと、自分の生きている意味がないと感じる人も多くなってきた。その点で、初演より現在のほうがより強く共感してもらえるだろうと思います」と話す。これまでもたびたびネットをモチーフにした作品を上演してきた鴻上だが、「直接僕たちの生活に影響を与える割りに、それ(ネット)がどんな形でどれだけの力で影響するか、僕らはまだまだ知らない気がする。だから興味が続いているのかもしれないですね」と語った。

今回は、D-BOYSのメンバーでドラマ『半沢直樹』でも注目を集めた牧田が一色役を、またスマッシュヒットとなったROCK MUSICAL『BLEACH』シリーズで主演を務めた伊阪が広瀬役を演じる。どちらもオーディションでの抜擢だ。「オーディションには100人以上来たのだけれど、牧田くんと伊阪くんは、なにより“上手かった”。どちらの役も売れてるとか人気があるだけではできない、芝居が上手くないとやれない役なんですよ。それでふたりに決めました。僕が客だとしても、舞台はやっぱり“イケメン”で“上手い”人で観たいしね」と鴻上は笑いを交えつつ、稽古場での彼らを語る口調には手応えを感じている様子がうかがえた。

本作ではネットのつながりと同時に、本来が表裏一体であるはずの人間同士のつながりも丁寧に描いていく。物語を動かすのは、いつも人間。一見バラバラのようなパズルがどう収束するかは、ぜひ劇場で確認してほしい。

10月5日(土)から20日(日)まで東京・あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)、10月24日(木)から27日(日)まで大阪・HEP HALLにて。チケット発売中。

取材・文 佐藤さくら

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