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年明け早々の東京・明治座で、大地真央主演のコメディ『コンダーさんの恋〜鹿鳴館騒動記〜』が華々しく幕を開ける。作・演出としては明治座初登場となるG2の、「“明治”座といえば、鹿鳴館でしょう!」の連想から生まれた“鹿鳴館プロジェクト”裏話だ。作・演出のG2に話を聞いた。
“鹿鳴館”という題材を自ら提案したものの、「実は詳しいことは何も知らなかった」と言う。
「ただあの大掛かりなプロジェクトが4年で失敗したことは前から引っ掛かっていたんですよ。なぜだろうとか、(4年って)短ッ!と思っていたから、裏に絶対面白い話があるんじゃないかと。ただあまりに失敗作だったからみんなが語りたがらないのか、資料がすごく少ない。黒歴史みたいなことですよね(笑)。それでも関連する本を50冊ぐらい読んだら、設計者のジョサイア・コンドルとその日本人妻・くめ、勝海舟の三男・梅太郎とその恋人・クララとか、面白い人物たちが関わっているというのが見えてきた。そこから先は、自分の創作で書けるなと思ったんです」
タイトルの“コンダーさん”とは、英国人設計者のジョサイア・コンドルのこと。彼と大地演じる妻・くめを中心に展開する群像劇だが、肝心のコンダーさんは登場しない。
「外国人役者で普通にやってしまうと演劇では面白くないなと思ったんです。『趣向は面白いけど、演じる側は難しいわ』と、大地さんに言われましたけど(笑)。くめさんって、登場人物の中でも一番資料がない人物。夫婦の写真も一枚だけしか残っていなくて、それが日本びいきのコンダーさんと日本舞踊の踊り手だったくめさんがふたりで歌舞伎の「京人形」を演じている、とてもいい一枚なんです。この写真一枚にどんな話があるかというのを想像して書きました」
ヒロインの前波くめは、明治時代に一般庶民ながら前例の少ない国際結婚を果たしたという史実も残る、明るくパワフルな女性。
「大地さんとは『8人の女たち』でご一緒しましたが、いろんな意味でのキャパシティの大きさを感じました。今回は大地さんが持っているそのままの素材感というか、できれば荒削りなまま舞台に乗っけてもらいたいと思っています」
G2曰く、明治とは「とんでもなくいい加減な時代」。
「あの時代は政府が次に何を言い出すかわからないから、みんなその場その場でいい加減に生きていくしかなかった。めちゃくちゃな時代を体当たりで生きた人たちのたくましい姿を観てください。初春公演は地味じゃいけませんから!」
公演は1月2日(木)から27日(月)まで。チケット発売中。
取材・文:武田吏都
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