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一攫千金を狙う失業中の男たちが、一夜限りのストリップショーに挑むまでの奮闘を描く、ミュージカル『フル・モンティ』。その日本オリジナルバージョンが、2014年1月、東京国際フォーラム ホールCで上演される。そこで『RENT』への出演など近年はミュージカル作品においても評価の高い、マルコム役の中村倫也に話を訊いた。
作品として『フル・モンティ』が面白いのは、もはや言うまでもない。しかし今回特筆すべきは、『勇者ヨシヒコ』シリーズなどで知られる福田雄一が、日本オリジナルバージョンとして演出を手がけること。「以前福田さんが演出された『モンティ・パイソンのスパマロット』を観た時、より日本人が笑えるものにしていく、その足し算、引き算が見事だなと思ったんです。だから今回もある程度は原作に忠実に。でも遊べる範囲でどんどん遊んでいくんだろうなと。そこは僕としても、稽古を進める中でどんどん膨らませていきたいなと思います」
福田の訳詞に「想像以上にバカで……」と笑う中村。しかしミュージカルとして上演する以上、絶対に外せないことがあると言う。「フル・モンティのメンバーはみんなどこか欠落しているんですが、こういう奴らが歌ったり、踊ったりした時にだけすごくカッコよく見える。僕はそれこそが、ミュージカルというもので出せるプラスアルファ、魅力だと思うんです。だからどんなにバカバカしいことを歌っていても(笑)、キメるところはきっちりキメる。そこは目指していきたいですね」
中村演じるマルコムは、病弱な母と暮らす深夜勤務の警備員という設定。「マルコムはちょっとズレた部分のある男なんですよね。人とあまりコミュニケーションを取ってこなかったがゆえの、欠落した部分があって。まぁ目立たないアホというか(笑)、その塩梅は周りとのバランスを見つつ探っていきたいなと思います」
共演者には、これが初舞台となる山田孝之を筆頭に、ムロツヨシや鈴木綜馬など、個性と実力を伴った面々が並ぶ。「なんかすごいことになりそうだって予感はするんですよ。本当に皆さんバラバラなので、これが花火みたいにドーンといろんな方向に広がったら、ドでかい爆発になるなって。映画やブロードウェイ版ももちろん素敵ですが、僕らは僕らなりに、このカンパニーでやる意味を追求していきたいなと思います」
フル・モンティとは“すっぽんぽん”という意味。もちろん中村も、舞台上でその状態になるわけだが……。「もちろん恥ずかしいですよ! でも意外と初日開けちゃったら、気持ちよくなるのかもしれません。『1500人の前で裸になったら、世界観変わりました!』みたいな(笑)」
公演は2014年1月31日(金)から2月16日(日)まで東京国際フォーラム ホールCにて。チケット発売中。
取材・文:野上瑠美子
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