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南イタリアの情熱が渦巻く愛憎劇、新国立劇場で開幕
2014年05月13日 22時36分 [オペラ・声楽]
新国立劇場オペラ「道化師」(2014年5月)撮影:寺司正彦  提供:新国立劇場
新国立劇場オペラ「道化師」(2014年5月)撮影:寺司正彦  提供:新国立劇場

南イタリアの情熱を生々しく伝える愛憎劇のダブルビル(2本立て)で贈る新国立劇場オペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師』(新制作)の公開舞台稽古が、5月12日に同劇場オペラパレスで行われた。

新国立劇場オペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師』の公演情報

ピエトロ・マスカーニ作曲の『カヴァレリア・ルスティカーナ』(1890年初演)とルッジェーロ・レオンカヴァッロ作曲の『道化師』(1892年初演)は、共に1890年代に芽生えたヴェリズモ・オペラの代表作として名高い。ヴェリズモ(=リアリズムの意)・オペラとは、市井の人々の生活など、日常的な物語を題材に、直接的な感情表現を盛り込んで上演するオペラ。『カヴァレリア〜』は、不倫のもつれから伝統的な慣習に基づいて決闘に至る物語が、『道化師』は道化役者が浮気の疑念に錯乱して妻を殺す悲劇が描かれ、南イタリアの情熱的な気風が投影されたドラマティックな音楽や物語で人気を博している。

演出家ジルベール・デフロを迎えて新制作された今作は、伝統を重んじた“正統派オペラ”の醍醐味が堪能できる舞台となった。衣装は南イタリアの復活祭の伝統的な服装を用い、舞台装置にはシチリアを象徴するオリーブの木を配置。演出も、時代設定を現代的に置き換える複雑な読み替えではなく、あくまで原作や作品誕生時の時代背景を踏まえた手法で、物語を魅力をシンプルに掘り下げて描くのがポイントだ。

そんな伝統的な演出アプローチに、キャスト陣も正統派イタリア・オペラの面目躍如といえるパワフルな歌唱で応える。『カヴァレリア・ルスティカーナ』では、昔の恋人ローラと密会を重ねるトゥリッドゥ(ヴァルテル・フラッカーロ)と、その浮気に嫉妬するサントゥッツァ(ルクレシア・ガルシア)による恋人同士の激しい感情のぶつかり合い、『道化師』では、妻の浮気への疑いに囚われた旅の一座の中年座長カニオ(グスターヴォ・ポルタ)の悲哀、若い恋人と逢瀬を重ねるカニオの妻ネッダ(ラケーレ・スターニシ)の快活さ、ネッダに思いを寄せる道化役者トニオ(ヴィットリオ・ヴィテッリの鬱屈した感情が、ドラマティックな歌唱で鮮やかに彩られた。また2005年上演の『蝶々夫人』以来、9年ぶりの新国立劇場登場となったイタリアの名匠レナート・パルンボの指揮が、東京フィルを見事にドライブし、劇的で推進力のある音楽で物語を引き締めたのも見逃せない。

新国立劇場オペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師』は、5月14日(水)より30日(金)まで上演(全6回)。チケットは発売中。

チケットぴあ

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