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映画『ぼくたちの家族』が5月24日に公開を迎え、妻夫木聡、原田美枝子、池松壮亮、長塚京三、黒川芽以、石井裕也監督、そして原作小説を手がけた早見和真が舞台挨拶に登壇した。
本作は、早見が自身の体験を基に書き上げた小説を映画化したもの。母が脳腫瘍と診断され「余命1週間」と宣告された一家が、治療の限界や家計の逼迫など様々な問題に直面しバラバラになりかけながらも、互いに向き合い、奇跡を信じて一歩を踏み出していくさまを描きだす。
石井監督にとっては『舟を編む』での昨年の日本アカデミー賞最優秀作品賞、監督賞受賞後第1作となるが「どうしても観てほしい作品だった。静かですが、思いのこもった作品になった自負、手応えがあります」と強い思い入れと自信をうかがわせる。
一家の長男を演じた妻夫木は「家族は生きている全ての人間にとって永遠のテーマであり、向き合わざるを得ないもの。完璧な家族などいないし、どの家庭も何かしらの問題を抱えてるもの。でも完全なものにしなくてもいいということを映画に教わった気がする。不安定だからこそ、手を取り合うし、愛おしく思えるのかなと思う」と本作を通じて感じた家族に対する思いを訴えた。
池松は初日を迎えて「届けたい映画があり、相手がいるのがすごく幸せ」と充実した表情。一方で「後悔があるとすれば、早見さんのお母さん(が昨年、亡くなるまでに映画の完成)が間に合わなかったこと。でも今日、観に来てくれていると思う。石井さんのお母さん(※監督が7歳の時に逝去)も観に来てくれていると思う」と静かに語った。
一家の母を演じた原田は「いい息子たちがふたり。石井監督ももうひとりの息子のようだから3人の息子たちですね」とニッコリ。長塚は「(自分も含め)4人と言ってほしかった」と寂しそうに語り、劇場は笑いに包まれた。
なお、本作は香港での公開が決定。さらに韓国、台湾など13の国と地域からオファーが寄せられており、今後の交渉で公開が決まるという。
妻夫木は報道陣向けの写真撮影の際には、登壇陣の了解をとって一般の観客の撮影もOKとし「ツイッターなどであげてください」とアピール。最後の締めの挨拶でも「家族という答えのないものを描いています。ヒットしてほしいですが、それ以上に多くの人に観て、感じてほしい。これはぼくたちだけでなくみなさんの物語でもあると思います」と呼びかけ、会場は温かい拍手に包まれた。
『ぼくたちの家族』
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