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傑作漫画『ガラスの仮面』が、G2の演出で舞台化されることが決定。天才女優・北島マヤが芸能界から追放され、舞台『ふたりの王女』で復活を遂げるまでを描き出す。そこでマヤ役を演じる貫地谷しほりと、原作者の美内すずえに話を訊いた。
今回でなんと5度目を数える『ガラスの仮面』の舞台化。美内は「いつもは紙の上だけで描いているので、頭の中ではそうでも、実際には動きもしなければ音も鳴りません。でも舞台ではそれがリアルに、立体的に体感できる。それがとても不思議であり、一演劇ファンとして楽しみでもあるんです」と声を弾ませる。
マヤ役の貫地谷は、高校生時代から原作の大ファン。それだけに「美内先生にお会いできて、本当に嬉しいです。こんなに嬉しいことって初めてかも!」と憧れの人との対面に興奮気味だ。だがその表情は徐々に曇っていき、「だから今回のお話をいただいた時は、正直『大丈夫かな』と思いました(笑)。この作品を“私がやる意味”って何だろう?といろいろ悩んでしまって…」と素直な心情を吐露する。
すると「私は“貫地谷さんらしさ”を出してくれることが一番だと思うんです」と美内。続けて「舞台の上というのは、一人ひとりの役者さんが、それぞれの人生をかけて、ある人物の生きている姿を見せる場所。そこは私が立ち入っちゃいけない領域だと思っていて。でも何か不安に思うことがあれば、何でも協力させてもらいますよ」と優しく微笑む。その言葉に貫地谷の心も晴れたようで、「すごく気持ちが軽くなりました! 原作者の方にこんなふうにおっしゃっていただけるなんて、なかなかないこと。その胸をお借りするつもりで頑張りたいです」と思いを新たにする。
「マヤの核として大事にして欲しいことは?」と美内に尋ねると、「マヤっていうのは本当に普通の女の子なんですが、自分の中にたったひとつの宝みたいなものを常に持っている。その宝が輝く瞬間=マヤにとってのお芝居であり、そういう光がどこかに垣間見えるといいですね」と明かすと、貫地谷も「ひとつのことに情熱を傾けられるってとても幸せなことだと思います。私もすごく幸運なことに、自分が好きなお仕事をやらせてもらい、生活をしている。そういった感謝の気持ちを忘れず、また私がこの作品から受けた大きな衝撃の、その破片だけでも持って帰ってもらえるような舞台にしたいです」。そう語る貫地谷の目は輝きに満ちていた。
公演は8月15日(金)から31日(日)まで東京・青山劇場にて。チケット発売中。
取材・文:野上瑠美子
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