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ネスレ日本株式会社とショートフィルムの総合ブランドShort Shortsを手掛ける「株式会社パシフィックボイス」の協力で実現し、3回目を迎えた「ネスレアミューズ映画祭」。仕掛け人である高岡浩三ネスレ日本社長とShort Shortsの別所哲也代表、昨年「ネスレ日本特別賞」を受賞し、世界へと羽ばたくチャンスを手にしたYuki Saito監督に話を聞いた。
スマホやパソコンでWEBにアクセスするだけで無料で世界中から集まった応募作品を楽しめる「ネスレアミューズ映画祭」。視聴者の投票でアワードが決定するが、Saito監督は昨年の応募作で「ネスレ日本特別賞」を受賞し、その副賞で映画祭の後援を受けて新作「あのときのFlavor...」を作り上げた。
芦名星主演、奥田瑛二、宮崎美子共演による本作は女優を目指してアメリカに渡るも夢かなわず帰国した娘と、彼女を迎える不器用な父親のドラマを描いた作品。実は監督自身の経験を元にした物語だという。「監督を目指してハリウッドに映画を学びに行ったんですが、その時の苦労や葛藤、帰国してからのことや支えとなった家族について実体験を詰め込みました」(Saito監督)。
受賞監督による新作には「劇中、どこかでコーヒーを映す」という条件が付けられたが、Saito監督はコーヒーにまつわる思い出を、娘と父を結ぶ重要なキーアイテムに取り入れた。高岡社長はこの描写について「結果的に、TVでCMを100回見る以上に1杯のコーヒーの存在感が伝わる作品になっていると思う」と称賛。今後、こうしたショートフィルムを使った手法が世界的な潮流となり「ショートフィルム自体の価値観が変わることになる」とも断言する。
「SSFF&ASIA」をアジア最大の短編映画祭にまで育て上げた別所代表も「短編映画祭の監督が1億円プレイヤーになる時代が来る」と期待を寄せる。「そのためにも今後、この作品をまさにコーヒーの味わいを伝えるように、世界中に広めていくのは我々の務め。世界の映画祭にも出品したい」と意気込む。
Saito監督は今後、長編作も控えるが、今回のようなショートフィルムへの意欲も口にする。「以前は短編映画というと若手の登竜門というイメージでしたが、高岡社長や別所さんのように短編に新たなビジョンを見出してくださる方が現れて変わってきたと思う。僕自身、“ネスレアミューズ映画祭出身”として、今後、長編でも短編でも羽ばたいていきたいです!」。
「第3回ネスレアミューズ映画祭」
11月30日(日)まで開催
取材・文・写真:黒豆直樹
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