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劇団☆新感線の高田聖子が、劇団公演とは違う、新たな試みに挑戦し続けている演劇ユニット「月影番外地」。その新作『つんざき行路、されるがまま』の上演が決定、そこで高田に現段階までの構想を訊いた。
脚本を福原充則が手がけるのは、前作『くじけまみれ』に続き2度目。前作の評判が非常によかっただけに、当初高田の中には、「2匹目のドジョウを狙うようなことはいかん!」という思いが働いたと言う。「それで月影のブレーン的な存在である木野(花)さんに相談したり、自分でもいろいろと考えたんです。でも『やっぱり!』と思い直し、好きな人にヨリを戻させてもらうことになりました(笑)」
別れても(!?)やっぱり忘れられないという、福原脚本の魅力とはどんな点にあるのだろうか。「まず言葉が美しいですよね。あと知らないうちに首根っこを掴まれて、ヒューっと違う世界に連れていかれるような感覚がある。それが何とも面白いなと思います」
演出の木野は、前作で福原脚本との相性のよさを見せたが、その理由を高田はこう考える。「福原さんはすごくシャイな方なので、ものすごくアツいものがあっても、それを面白いせりふや面白い状況で包み込んでしまう。でも木野さんはそこにとらわれず、部分的に剥いて、中身をもっと出していこうとされている感じがします」
そんな木野から福原への提案は、「人とは違う何かが人と結婚する話はどうか?」ということ。それは福原にとっても以前からやりたかった題材であり、本作の誕生へと至る。いわゆる『鶴の恩返し』で言うところの“鶴”を高田が演じるわけだが、福原のチョイスは実に意外なもの。「口笛です。素敵ですよね。河童とか狸じゃないのは、さすが福原さんだなと(笑)。その口笛をどうやるのか、楽しみにしていて欲しいです」
共演者は男性のみ4名で、親族代表の竹井亮介、植田裕一、田村健太郎。さらに新感線の粟根まことが、高田の夫役を演じる。「あえての粟根さんですからね(笑)。果たしてどうなるのか。不思議なぶつかり合いと言いますか、大怪我しないくらいの事故みたいなことが起きたらいいなと思っています(笑)」
月影に新感線のような派手さはない。しかし間違いなく、ここでしか見られない高田聖子はいる。「新感線に比べれば、月影は間口が狭いです。でもそういうピンポイントな匂いを嗅ぎつけたお客さんと、その世界観を共有出来たらいいなと思います」
公演は11月7日(金)から16日(日)まで東京・下北沢のザ・スズナリにて。チケットの一般発売は9月6日(土)午前10時より。なおチケットぴあでは、インターネット先行抽選「プレリザーブ」を実施中、8月25日(月)午前11時まで受付。
取材・文:野上瑠美子
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