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園×鈴木『TOKYO TRIBE』で初タッグ
2014年08月28日 17時35分 [邦画]
園子温監督、鈴木亮平

日本が世界に誇る鬼才・園子温監督が、90年代のストリートカルチャーを象徴する井上三太の伝説的コミックを映画化し、待望の新作『TOKYO TRIBE』を完成させた。常に一筋縄ではいかない園作品だが、あえてジャンル分けするなら「世界初のバトルラップミュージカル」。セリフをラップで“奏でる”という大胆不敵な手法が、原作の根底に流れるスピリットを見事にスクリーンに刻み付けた。

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園監督は「映画化の話をもらった当初は、不可能だし断ろうかなと思ったけど、ラップでミュージカル…、これならイケるなって」と振り返る。近未来の東京を舞台に、「ブクロWU-RONZ」「ムサシノSARU」ら数々のトライブ(族)がルール無用の縄張り争いを繰り広げる本作。「12巻ある原作すべてを映画化はできない。時間をかけると停滞感も出てしまうから、一晩に巻き起こる刹那(せつな)の物語にしたかった」という。

主人公のひとり・ブクロWU-RONZのヘッドであるメラを演じるのは、現在放送中の朝ドラ『花子とアン』で注目を浴びる鈴木亮平。『ガッチャマン』『HK 変態仮面』で極めた肉体美と身体能力を、本作でもいかんなく発揮し“最凶の男”として終始躍動し続ける。「台本に『Tバック一丁で、問答無用の強さ』って書いてあって(笑)。あの一行に、完全にヤラれましたね。原作のメラを生身の人間がトレースしても、別物になってしまう。『こんなのメラじゃない。でもこのメラ、いいな』って思ってもらいたかった」(鈴木)。

アクションに加えて、ラップにも挑戦し「プロを超えるラップをやってやると意気込んだ。息が続くかって不安もありましたけど」。園監督とは初タッグで「とにかく、現場の熱気に負けたくなかった。遠慮してるなんて言われたくないですから。撮影中は監督のひらめきで、シーンが増えることもあって、刺激的でした」と強い達成感を示す。

「こちらの仕事は、役者さんの自由な演技を見守ること。やりたい放題やってもらって、無法地帯にするのが大切」(園監督)。バラエティ豊かな個性が交差する『TOKYO TRIBE』には、カオスな化学反応が随所に渦巻いている。

『TOKYO TRIBE』
8月30日(土)から全国で公開

取材・文・写真:内田 涼

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