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『三文オペラ』で池内博之が咲かせる悪の華!
2014年09月09日 18時00分 [演劇]
新国立劇場演劇『三文オペラ』稽古場より。  撮影:黒豆直樹
新国立劇場演劇『三文オペラ』稽古場より。  撮影:黒豆直樹

ブレヒトの名作音楽劇『三文オペラ』が宮田慶子の演出で9月10日(水)より東京・新国立劇場にて上演される。初日まで10日を切った某日、通し稽古が行われた稽古場に足を運んだ。

新国立劇場演劇『三文オペラ』チケット情報

舞台上には歩道橋のように左右から大きな階段が伸び、舞台奥中央で合流し高さ4〜5メートルほどの踊り場を作っている。階上、階下を30名もの俳優陣が入り乱れ、乞食が集う場や娼婦街、刑務所、そして絞首台へと次々と姿を変え、猥雑なロンドンの街を形成する。

本作を知らない人でも耳にすれば分かる名曲『モリタート』の合唱で物語は幕を開け、その残虐ぶりを謳われる大泥棒・メッキースが華麗に姿を現す。

演じるのは池内博之。悪党だが知的で女たちにはモテモテ。貴族のような洗練された振る舞いを見せる一方で時折、凄味のきいた言葉を響かせ稀代の大泥棒の顔をのぞかせ、池内は巧みにメッキースを表現し、悪徳の華を咲かせる。メッキースの歌う曲は音程もリズムも難解なものばかり。池内は音楽劇初挑戦となるが、全体の稽古が始まる前から歌のレッスンを積んできたとあった、低く魅力的な声を響かせる。

そしてもうひとり、強い存在感を示しているのがメッキースの妻・ポリーを演じるソニン。最初は恋に恋する少女のようにかわいらしく無邪気に結婚に胸を躍らせるが、物語が進むにつれて、いくつもの表情を見せる。ドスの効いた声でメッキースの部下たちに啖呵を切ったかと思えば、彼との別れの哀しみを歌い、彼が結婚前に手を出したルーシー(大塚千弘)と激しい女の戦いを繰り広げるなど女のしたたかさを見せつける。ソニンはキャラクターに応じて歌声も巧みに使い分け、その見事な変身ぶりに稽古場は爆笑に包まれた。

さらに、ポリーの父でロンドンの乞食の総元締めのピーチャム(山路和弘)にその妻のシーリア(あめくみちこ)、警視総監だが実はメッキースとは盟友のブラウン(石井一孝)、メッキースをハメる娼婦ジェニー(島田歌穂)らそれぞれクセのある、しかしどこかコミカルで憎めない個性的な登場人物たちが目白押し! 乞食も娼婦も警官も悪党もみんな、貧困にあえぎながらも生き生きとステージを闊歩し、不協和音に満ちつつもエネルギッシュに歌声を張り上げる。

生演奏が奏でられる本番で、メッキースをはじめ、登場人物たちが歌と笑いと哀しみと共にどんな“生”を見せてくれるのか楽しみだ。

新国立劇場中劇場にて9月10日(水)開幕。

取材・文:黒豆直樹

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