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映画『柘榴坂の仇討』のプレミア試写会が9日に都内で開催され、主演の中井貴一をはじめ、阿部寛、広末涼子、真飛聖、若松節朗監督が舞台あいさつに登壇。また、KDDIとぴあが提供するスマートフォン向けエンタメ情報サイト「uP!!!」主催で全国3会場(大阪、名古屋、倉敷)の映画館にも舞台あいさつの模様が中継された。
本作は、浅田次郎の手によるわずか38ページの短編小説を映画化したもの。明治を舞台に、“桜田門外の変”で主君・井伊直弼の命を奪った“仇”を追い続ける武士と、隠れ続ける人生を送ってきたふたりの男の運命を描き出す。
中井は日本映画界における時代劇の衰退に触れつつ「真正面から日本人の心を映し出したつもりです。我々の世界で、時代劇の火を灯し続けなくてはいけません」と強い想いを口にする。また、阿部は本作の出演について「貴一さんがこの役をやると聞いて『ぜひやらせてください』と言いました」と明かし、追う者と追われる者の緊張感を出すために、撮影現場でもあえて、コミュニケーションを断っていたことを告白。「初日にいきなりトイレで会っちゃいましたけど…」と苦笑しつつも「緊張感が映っていると思う」と胸を張る。
広末は映画で時代劇に出演するのはこれが初めてだったが、所作については撮影前から「『新人と思ってご指導ください』とお願いし、撮影中も先生についていただいていました」と言い、中井とは初共演で少し歳の離れた夫婦役となったが「現場で中井さんはずっと(役の)金吾のままで、そばにいると自然と(役柄の)セツになれました。この人のそばにいて、ついて行くのがセツの生き方だと自然と感じました」と振り返った。
真飛はこれまで宝塚で“男役”でやってきただけに女性の所作には苦労したそうで「いつも監督から『勇ましすぎる!』『武士っぽい』と言われてましたが(苦笑)、辛抱強くご指導いただきました」と述懐した。
この日は原作者の浅田も来場。「元々、短くささやかな小説でしたが素晴らしい映画に仕上げていただき、作家冥利に尽きます」と完成した映画を絶賛。『壬生義士伝』に続いて浅田原作の主人公を演じた中井は、浅田作品の魅力について「偉人伝ではなく野に咲く花にスポットライトを当てていて、共感します」と演じる喜びを噛みしめつつ語っていた。
『柘榴坂の仇討』
9月20日(土)全国ロードショー
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