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2年ぶりのKERAの新作に三宅弘城が出演
2014年09月10日 15時50分 [演劇]
三宅弘城
三宅弘城

劇作家、演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)が主宰する劇団、ナイロン100℃が2年振りに新作「ナイロン100℃ 42nd SESSION 『社長吸血記』」を上演する。ナイロン100℃の旗揚げからの中心メンバーで、映画やドラマでも活躍する三宅弘城に、意気込みを聞いた。

ナイロン100℃「社長吸血記」 チケット情報

タイトルから、ヴァンパイアが出てくるハチャメチャなホラー作品を想像してしまう。「それが違うんです。台本がまだ出来ていないんですけど(笑)、僕が聞いたところ、森繁久彌さんが主演された東宝映画の社長シリーズの喜劇と、デヴィッド・リンチ監督のちょっと気持ち悪い、不気味な世界を合わせた舞台になるようです。しかも作品に社長は一切登場しません(笑)」。さらに、社員同士が浮気したり、蒸発したりという、少しマニアックでニヤニヤしてしまうコメディになるらしい。「何か大きい事件が起こるわけではない。KERAさんはそういうテイストが好きですよね。自分が面白いと思うものを描きたいと思っているから。でも、KERAさんがマニアックと捉えても、僕たちが演じるとまた変わる。ナイロン100℃のコアなファンも、初めて見る人も両方楽しめると思います」

期待できるのは、今回参加する鈴木杏、山内圭哉、「かもめんたる」の岩崎う大と、槙尾ユウスケという多彩な客演陣。「杏ちゃんは17歳のころから知っていますが、演技派で魅力的。共演できるのは本当に嬉しいですね。また、シリアスな役も、面白い役もこなせる山内さんは、見ていて安心できる役者で存在感がある。そして、「かもめんたる」のおふたりは、ネタをしているときのはじけかたと普段とのギャップがすごい。みなさんが今作でどう変わるか僕も楽しみです」

昨年結成20周年を迎えたナイロン100℃。その前身である劇団健康から参加し、KERAをはじめ、主要メンバーの大倉孝二、みのすけ、犬山イヌコらと一緒に道を歩んできた。「ほかの劇団の舞台や、僕が出ていないナイロンの作品を見ても、やっぱりナイロンは面白いし、役者が魅力的だと思う。だからやめないで続けてこられた。それに、KERAさんは常に新しいことをする人で、同じ場所にはいない。存在? 会社の社長や上司とは違うなぁ。ゼロから育てていただいたので、言ってみれば親ですかね。ほかの役者たちは親族。なので、久々に会うと、照れてお互いあまりしゃべらないんです(笑)」

「今までにはない舞台になる」という新作で、三宅がどんな味のある演技を見せてくれるかにも注目だ。

公演は9月26日(金)から10月19日(日)まで東京・本多劇場にて。その後、10月25日(土)・26日(日)福岡・北九州芸術劇場 中劇場、10月28日(火)・29日(水)大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、11月1日(土)・2日(日)新潟・新潟市民芸術文化会館 劇場で上演。

取材・文:米満ゆうこ

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