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シンガー石崎ひゅーいが初舞台。菜月チョビと姉弟役
2015年04月07日 17時00分 [演劇]
左から、石崎ひゅーい、菜月チョビ
左から、石崎ひゅーい、菜月チョビ

6月に東京と兵庫で上演する劇団鹿殺し『彼女の起源』は、演出家にして俳優の菜月チョビが、カナダ留学後に初めて出演する舞台であり、新進気鋭のシンガーソングライター・石崎ひゅーいが客演にして初舞台を踏むという話題性たっぷりの新作だ。加えて、初めて現役ロック・ミュージシャンを迎え全編を生演奏でつづるという趣向にもテンションが上がる。新たな挑戦への期待を、姉弟役を演じるふたりに訊いた。

劇団鹿殺し ロックオペラ『彼女の起源』チケット情報

菜月「劇団鹿殺しとひゅーい君の両方をよく知る方がいて、『パフォーマンスの根底に共通するものを感じる』と紹介してくださったのが最初の出会いでしたね」

石崎「実は僕、上京したての鹿殺しさんの路上パフォーマンスを何度も目撃していて、以前から気になっていたんです。公演も拝見して、スパーンと気持ちよく起承転結が決まるストーリーや潔い終わり方がいいなぁとずっと思っていました」

菜月「私はひゅーい君の歌を聴いて、自分のコンプレックスなどマイナス部分をバネにしながら、聴く人にエネルギーの湧く歌をつくっているところが鹿殺しに通じると思った。歌い方も、一人ひとりの心に語りかけてくるようで素敵だな、と」

石崎「ありがとうございます。僕も演劇にはずっと興味があったんです。中学のとき母に児童劇団に入れられたり、唐十郎さんの芝居に連れて行かれたりした経験が大きくて。今回1か月は練習できると聞いて『やろう!』と決めました。短い期間では怖くてできなかったと思います」

菜月「ひゅーい君の歌には「物語」があって、音楽だけじゃなく、もっと大きなことを発信していると思ったんです。だから舞台上でも浮かない、劇中でちゃんと表現してくれるはず、とお誘いしました。部屋に閉じ込められて育った姉とその弟、ふたりの間を繋ぐ大切なものとして弟の「歌」がある。そんな設定なので、台本ができたらひゅーい君に劇中歌もつくっていただく予定です」

石崎「すごく面白い経験ができそうで嬉しいけれど、今は優しいチョビさんや作家の丸尾(丸一郎)さんが、稽古場で怖い人になるんじゃないかと心配で」

菜月「『そんなことない』といくら否定しても信じてくれないよね、ひゅーい君(笑)。うちの劇団はガラパゴス諸島なみに珍しい、変な人ばっかりの劇団だけど、悪意はないから大丈夫。『うるるん滞在記』な感じで来てくれれば良いです」

石崎「(笑)ちょっと安心しました。チョビさんは秘境の村長さんですね」

菜月「そう、テンパってる村人をまとめる役(笑)。でも舞台はみんなキッチリやりますから、心置きなく飛び込んできてください!」

石崎「はい、泣きながらでもついて行けるよう頑張ります!」

公演は6月3日(水)から8日(月)まで東京・CBGKシブゲキ!、6月11日(木)から14日(日)まで兵庫・AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)にて。チケット発売中。

取材・文:尾上そら

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