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クラシック
マルチな才能で人気を博している青島広志による「世界まるごとクラシック」。 子供からお年寄りまでに親しまれているこのコンサートでは、青島が指揮、司会、解説、編曲、イラストなど多彩な活躍を繰り広げている。この1月11日の公演も広い東京国際フォーラムホールAが満員の盛況。演奏は今年創立10周年 を迎えるシアターオーケストラトーキョーが務めた。
今年はスッペの喜歌劇「軽騎兵」序曲から始まった。映像用のスクリーンが舞台の両サイドにあり、指揮者やオーケストラのメンバーの表情が映し出される。青島の書いた作曲家のイラスト肖像画や曲目解説の字幕も入る。ショパンのピアノ曲「華麗なる大円舞曲」を青島自らがオーケストラ用に編曲。ここでは、ワルツがひとつ変わる毎に照明が変わる演出も施された。正月の定番、宮城道雄の「春の海」も青島の編曲。日本の旋律がフル・オーケストラで繊細に表現された。まるごと版「モーツァルト・メドレー」はこの日が初演だった。青島は「一番好きな作曲家はモーツァルト」という。モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、「フィガロの結婚」序曲、「魔笛」序曲、交響曲第40、41番などをつなぎ、ここでもアレンジを施した。この日一番の聴きものだった。前半最後は、今年が生誕140年、没後70年となるファリャの「恋は魔術師」から“火祭りの踊り”。
後半は、唱歌「1月1日」をみんなで歌って始まった。そして、ジョン・ウィリアムズ作曲の映画「スター・ウォーズ」より“メイン・タイトル”。勇壮なトランペットのファンファーレだけでなく、大オーケストラの迫力が満喫できた。次はセミ・クラシックを代表する作曲家アンダーソンの「タイプライター」。親しみやすい小品。今年が没後310年にあたるパッヘルベルの彼の代表作「カノン」では、ヴァイオリン群が3つに分かれて、旋律を順番に演奏(カノン)していく。今年のみんなで歌うコーナーは、「サウンド・オブ・ミュージック」より“ドレミの歌”。青島が振り付きで聴衆をリードする。最後は、ビゼーの歌劇「カルメン」から4曲が演奏された。アンコールはウィーン・フィルのニューイヤーコンサートと同じ、ヨハン・シュトラウス1世の「ラデツキー行進曲」。青島は舞台を降り、客席まで入って、手拍子を指揮した。
2時間を超えるコンサートは、バラエティに富み、青島のユーモアを交えた早口の解説で情報も満載。ボリューム感たっぷりの内容を満喫した。
東京公演の後は大阪、愛知、北海道、広島の各地で開催。チケット発売中。
テキスト:山田治生
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