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高田聖子、猫背椿、新谷真弓が根本宗子作品で妙齢の“こじらせ女子”に!
2017年02月14日 17時30分 [演劇]
舞台『皆、シンデレラがやりたい。』稽古場より
舞台『皆、シンデレラがやりたい。』稽古場より

女性ならではの視点からのストーリー展開、台詞のリアルさ、エンターテインメントとしての構成の妙で人気沸騰、公演ごとに動員を増やしている若手注目株の劇作家・演出家にして、個性派女優でもある根本宗子。彼女の最新作『皆、シンデレラがやりたい。』が、2017年2月16日(木)から26日(日)まで、東京・下北沢の本多劇場にて上演される。その初日まで約1週間となった某日、ラストスパートで準備が進む稽古場を覗かせてもらった。

舞台『皆、シンデレラがやりたい。』

舞台となるのは、開店したてのとあるスナック。物語は、アイドルの“追っかけ”をしている40代女性3人を中心に展開していく。この3人を劇団☆新感線の高田聖子、大人計画の猫背椿、ナイロン100℃の新谷真弓という各劇団の看板女優たちが演じるという絶妙のキャスティングに、期待は高まる一方だ。

この日、稽古していたのは物語の中盤。このあたりから仲良く見えていた3人組の関係の表と裏が徐々に明かされていく。“りっくん”こと一ノ瀬陸というアイドルを追いかけている3人はある日、彼のSNSが炎上していることを知る。どうやら“彼女”がいるらしいとわかり、逆上する3人。だが彼を守れるのは私たちだ! とばかりに、彼女のほうをツイッターで攻撃し始める……。

徹底して節約をしながら“追っかけ”を続ける<榎本>を、高田が自身のイメージとはひと味違う暗さと湿っぽさで熱演すれば、スナックのママでバブル時代はイケイケだった様子の<神保>を猫背は毒も見せつつ軽妙に。裕福なセレブ妻でサンリオキャラクター好きの<角川>を新谷は独特の可憐さに闇の部分も出しながら演じている。テンポのいいやりとりは痛快そのもの。同じアイドルを追いかけていても、生活レベルも趣味嗜好も実はバラバラ。話は合うようで本当は合っていないことが会話の端々からどんどん漏れてくる。そんな“女子トークあるある”は可笑しくもあり、なんだか哀しくもあり。

キリのいいところで芝居を止めては、各自の台詞のニュアンスについて丁寧に演出をつけていく根本。「ここの台詞はもう少し低い声で」「この“カワイイ〜!”はもっとテンション高く」などなど、指示は細かくとても具体的だ。そうやって演出しつつ、猫背演じる神保の義理の娘<赤瀬>役で出演もする根本に、さらに“りっくん”の彼女で地下アイドルの<三村>役で元モーニング娘。の新垣里沙、そのマネージャー<筒井>役で唯一の男性キャストの小沢道成が加わり、やがて意外な展開が待つクライマックスへと突入していく。

女性ならおそらく誰もが、そして男性も女性の本音に触れたことがある人なら誰もが共感できるはずの根本ワールド。思わず笑ってしまいながらも時には怖ろしく、それでいて切実な想いがそこには秘められていたりもする。こじらせまくりの女たちが吐く毒や哀しみ、そして強さと可愛げを笑いに、ぜひ劇場へ。

取材・文/田中里津子

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