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トップスター・珠城(たまき)りょう率いる宝塚歌劇月組の新作、浪漫活劇『All for One 〜ダルタニアンと太陽王〜』が、7月14日、兵庫・宝塚大劇場にて開幕した。
宝塚歌劇月組『All for One〜ダルタニアンと太陽王〜』チケット情報
小池修一郎が脚本・演出を手掛ける本作は、世界中でさまざまに作品化されているアレクサンドル・デュマ原作の『三銃士』をモチーフに、新たな発想で創作したロマンチック・アクション・ミュージカル。ルイ14世が治めるフランスを舞台に、銃士隊の新入りダルタニアンの愛と勇気の冒険活劇を、共に戦う三銃士との友情を交えて壮大なスケールで描いている。
珠城演じる銃士隊一の剣の遣い手ダルタニアンを中心とした銃士隊の総踊りで始まるプロローグ。テーマ曲を歌いながらダイナミックに魅せ、観客を物語の世界へと惹き込んでいく。素直で嘘がない、爽やかな雰囲気のダルタニアンは珠城にピッタリの役どころ。珠城と共に銃士隊の中心となる三銃士を演じるのは、世紀の色男と称されるアラミスの美弥(みや)るりか、沈着冷静なアトスの宇月颯(うづき・はやて)、大胆不敵なポルトスの暁千星(あかつき・ちせい)だ。それぞれに個性たっぷりに演じ、ブルーのデニム地で作られたスタイリッシュなコスチュームもサラリと着こなし、佇まいのカッコ良さで魅せる。それでいて笑いどころもたっぷりと、緩急つけた演技で楽しませてくれる。女性客の心を揺さぶるダルタニアンの“壁ドン”も見どころのひとつだ。
またトップ娘役・愛希(まなき)れいかは、太陽王と称されたルイ14世とダルタニアンが酒場で出会う娘ルイーズの二役に挑んでいる。男役も経験してきただけに、ルイ14世をナチュラルに演じているのが印象的。変幻自在でありながら安定感のある演技力で演じ分けているのが面白い。組替え後、初の大劇場公演となる月城(つきしろ)かなとは、銃士隊と対立する護衛隊の隊長ベルナルド役。ダークな空気感をまといながらも美しい。ちょっとヌケた一面も見せる、憎めない敵役だ。さらに、専科の沙央(さおう)くらまが、ルイ14世のいとこモンパンシェ公爵夫人で存在感を発揮。コミカルな名演で客席の笑いを誘う。
それぞれが個性を際立たせつつ、集団になればピタリと息の合ったフォーメーションで目を奪う。大人数での立ち回りなど、アクションも見応えたっぷり。宝塚歌劇ならではの、ロマンチックかつ痛快な冒険活劇に仕上がっている。
公演は兵庫・宝塚大劇場にて8月14日(月)まで上演。チケットは発売中。東京宝塚劇場公演は9月1日(金)から10月8日(日)まで。7月30日(日)より一般発売開始。
取材・文:黒石悦子
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