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高畑淳子が体当たりで魅せる“九転十起”の不屈の精神
2017年09月27日 18時00分 [演劇]
土佐堀川 近代ニッポン―女性を花咲かせた女 広岡浅子の生涯 - 稽古場より
土佐堀川 近代ニッポン―女性を花咲かせた女 広岡浅子の生涯 - 稽古場より

『土佐堀川 近代ニッポンーー女性を花咲かせた女 広岡浅子の生涯』が10月4日(水)、東京・日比谷シアタークリエにて開幕する。NHK連続テレビ小説『あさが来た』の原案となった「小説 土佐堀川」(作・古川智映子)を舞台化した作品である。江戸時代末期、京都の豪商・三井家に生まれた広岡浅子は、大阪の両替商に嫁いで商才を発揮する。家業の再興のために炭鉱経営を始め、銀行を設立し、日本初の女子大を開校させ、生命保険会社を起こすなど、数々の事業を“九転十起”の精神で押し進めた実業家だ。苦悩しながらもたくましく歩んだ女傑の人生を描いた舞台、その主演に高畑淳子が挑むこととなった。初日を間近に控えた某日、高畑とは『ええから加減』(2012、2013年)、『雪まろげ』(2016年)に続く共同作業となる演出家、田村孝裕が指揮をとる稽古場を訪れた。

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浴衣姿でスタンバイするキャスト陣の中に、高畑の姿を発見。その浴衣の両袖には手ぬぐいが付けられて、高畑が歩くたびにヒラヒラと揺れている。どうやら振り袖のつもりらしい。和服で大股歩きをして“振り袖狂人”と噂される、そんな威勢のいい18歳の浅子から物語は始まるのだ。

「出だしからの活気とテンポ感、そして空気が変わっていく時の緊張感を大事にやっていきましょう」。田村のこの言葉で、通し稽古がスタートした。大阪の街を想起させるにぎやかな効果音と、心を沸き立たせるジャジーな音楽に乗って、個性豊かなキャラクターが次々に登場する。商売には関心を持たず、趣味の稽古事にいそしむ夫・広岡信五郎(赤井英和)、浅子の忠義な腰元・小藤(南野陽子)、両替商加島屋の主人・広岡正饒(小松政夫)、正饒の次男・正秋(田山涼成)など。田村の狙いどおり、軽快なテンポで人々が現れるたびに、稽古場の空気が西の地の朗らかな熱気に変わっていく。満を持して、袖を振り回して闊歩する浅子が登場すると、ひときわ華やかな笑い声が沸き起こった。若い浅子がどんどん商売にのめり込んでいく、疾走感のある展開が小気味良い。はつらつと飛び回る高畑と、のほほんと構える赤井の組み合わせの妙。そして要所に独自の芸を挿し込んでくる小松の怪演に、抱腹せずにはいられない。

女だてらに乗り込んだ炭鉱で、浅子は飯場主・熊田(芋洗坂係長)や坑夫たちと衝突する。ピストルを構えて、商いへの覚悟を見せる浅子。熊田たちはその心意気に打たれて協力的になるが、次には炭鉱の爆発事故が起こり…。まさに転んでは起き上がる、その繰り返しである。坑夫の家族に謝罪するシーンでは、高畑の全身全霊の叫びが胸を突く。そんな豪傑ぶりから一転、崇拝する五代友厚(葛山信吾)との対面シーンでは、乙女の眼差しを向ける浅子・高畑のしおらしい表情がなんとも微笑ましく、頬が緩んだ。濃厚エピソードの連続である第一幕ですでに圧倒されたが、この先にはさらに笑いと涙を誘う展開が待ち構えている。ひとりの女性の生きざまが伝える不屈の精神、その真の勇気をぜひ劇場で受けとめたい。東京公演は10月28日(土)まで。その後各地を周る。チケットは発売中。

取材・文 上野紀子

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