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試合後のハリルホジッチ監督は静かだった。通常見られるマシンガントークも、大げさな身振り手振りもなく、12月9日・北朝鮮代表との試合を淡々と振り返ったのだった。曰く「少し運も味方した、いい勝利だった。あまりにも未熟な形で戦った部分もあったが、最終的には勝利することができた。結果は良かったと思う」。
試合終了間際にMF井手口陽介のゴールで、1-0の薄氷を踏む勝利を掴んだ日本代表だが、内容では北朝鮮代表に分があった。前半は低いラインで人数をかけた守備に攻め手を欠き、北朝鮮がラインを高く保ち攻勢に出た後半は普通に押し込まれた。『EAFF E-1 サッカー選手権2017』を国内組の最後のアピールの場としてとらえていた指揮官のお眼鏡に適った選手はいるのだろうか。
「若いGK(中村航輔)が、いろいろな場面で解決策を見つける姿を見せてくれた。そして伊東(純也)もボールを持ったら仕掛けて、相手を抜くことができた。1対1で相手を抜き去る選手は、このチームには多くはない。彼の仕掛ける能力や抜き去る能力など、サイドで違いを見せるプレーを評価したい」
中村と伊東以外にポジティブな評価を勝ち取った選手はいるか問われた指揮官だが、ネガティブな評価となった選手について言及した。
「初めてプレーする室屋(成)や阿部(浩之)、そして高萩(洋次郎)や谷口(彰悟)など、彼らはもっとできると思う。井手口も最後に貴重なゴールを決めたが、その前のプレーは我々が知っている井手口ではなかった。たとえば室屋は5・6回、不要なファウルをしてしまった。アピールをしたい部分もあったのだろうが、未熟さを見せてしまった。金崎(夢生)はクラブの時と同じようにサイドに流れるプレーをしていたが、この試合ではもっと中央でプレーすることを要求していた。小林(悠)はクラブでたくさんのゴールを決めた。川崎フロンターレでは他の選手たちと連動した動きを見せたが、ここではまだオートマチックな動きに至っていない」
ハリルホジッチは選手を槍玉に挙げているわけではない。むしろ、代表選手が置かれた環境に理解を求めた。
「初めて集まって一緒にプレーするチームなので、あまり厳しい目で見るべきではない。代表が初めての選手もいる。2試合目はよりよいプレーを見せてくれるだろう」
残り2試合。選手には指揮官が会見で興奮してまくし立てるほどのパフォーマンスを見せてほしい。今回は『ロシアW杯』へのラストチャンスである。国内組の真価が問われる。
日本代表は『E-1』で12月12日(火)・中国代表戦、16日(土)・韓国代表戦に臨む。会場は味の素スタジアム。チケット発売中。
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