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菊五郎、吉右衛門、猿之助らが活躍。吉例顔見世大歌舞伎、開幕!
2018年11月07日 16時35分 [歌舞伎・古典芸能]
昼の部『十六夜清心』左から十六夜=中村時蔵、清心=尾上菊五郎、清元栄寿太夫(清元左から3番目)、清元延寿太夫(清元左から4番目)、清元斎寿(清元右端)(C)松竹
昼の部『十六夜清心』左から十六夜=中村時蔵、清心=尾上菊五郎、清元栄寿太夫(清元左から3番目)、清元延寿太夫(清元左から4番目)、清元斎寿(清元右端)(C)松竹

11月の歌舞伎座での「吉例顔見世大歌舞伎」が開幕。尾上菊五郎、中村吉右衛門の大看板も揃う、充実の演目立てとなっている。

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このふたりが昼の部で共演したのは、『十六夜清心』。女犯の罪を犯して遊女・十六夜(中村時蔵)と恋仲になった所化・清心(菊五郎)は、廓を抜け出した十六夜から、清心の子を身ごもっていることを告げられ、一緒に川に身を投げる。しかし、十六夜は俳諧師・白蓮(中村吉右衛門)に引き揚げられ、水練に長けていた清心も死ねずに浮かび上がってしまう。互いに相手は死んだと思ったまま、一命を取り留めたふたり。やがて、雲間から月が現れるのと同時に迷いが晴れた清心は、悪の道へと進んでいく……。しっとりとした清元に乗せ、黙阿弥調を存分に聴かせる菊五郎の清心、はかなげな美しさを見せる時蔵の十六夜、そして、豪胆な吉右衛門の白蓮。なお、本作で尾上右近が、七代目清元栄寿太夫として歌舞伎座に初お目見得。よく通る美声を響かせた。

また、夜の部の『楼門五三桐』では、吉右衛門が石川五右衛門を豪快に体現。南禅寺の楼門の上で煙管をくゆらせ、満開の桜を悠然と眺める名場面に続いて、菊五郎演じる巡礼姿の真柴久吉が門の下から五右衛門と対峙し、華やかな絵を作った。

一方、昼の部の『お江戸みやげ』は川口松太郎らしい人情味あふれる芝居だ。呉服の行商をしているお辻(時蔵)は、気のいい行商仲間のおゆう(中村又五郎)に芝居見物に誘われ、そこでひと目惚れした役者の栄紫(中村梅枝)と面会。栄紫が恋人のお紺(尾上右近)と結ばれるために、金が必要だと知ったお辻が取った行動とは? 田舎の女が江戸で知った一生に一度の恋を、時蔵が情感豊かに造形。お辻の情愛を受けるにふさわしい魅力を放った梅枝の栄紫も印象深い。

夜の部の『隅田川続俤』は、吉田家の重宝“鯉魚の一軸”を巡って、乞食坊主・法界坊(市川猿之助)、吉田家の嫡男・松若丸(中村隼人)、松若の許嫁・野分姫(中村種之助)、松若と恋仲である永楽屋の娘・おくみ(尾上右近)、道具屋甚三(中村歌六)ほか様々な人物の思惑と行動が交錯する作品。猿之助は強欲な鼻つまみ者だがどこか憎めない法界坊を、アドリブに宙乗りにと大車輪で、ユーモアたっぷりに熱演。大喜利では、共にこの世に未練を残して死んだ野分姫と法界坊が合体した怨霊に。野分姫の恋敵であり、かつ法界坊にとっては思いを寄せる相手であるおくみにそっくりの姿となって、踊りながらおくみを追い詰めるなど、猿之助ならではの見応えある舞台となった。

このほか、昼の部では、太郎冠者(尾上松緑)が姫御寮(市川笑也)の前で巧みに舞い、褒美にもらった素襖を巡って主人の大名某(市川團蔵)らと愉快な攻防を繰り広げる『素襖落』、夜の部では、文売りお京(中村雀右衛門)がひとりで様々な景色を踊っていく『文売り』を上演。

吉例顔見世大歌舞伎は東京・歌舞伎座にて、11月26日(月)まで。

取材・文:高橋彩子

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