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これはすごい!音楽監督も自ら絶賛。東響来季プロ
2018年11月08日 12時50分 [オーケストラ]
ジョナサン・ノット
ジョナサン・ノット

ジョナサン・ノットが音楽監督に就任して6年目のシーズンを迎える東京交響楽団。すでに9月はじめに2019/20年シーズンのコンサート・ラインナップを発表していたが、11月6日にあらためて、ミューザ川崎で記者会見があり、新シーズンの概要を説明した。

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「東響の素晴らしさのひとつは、素晴らしい合唱の存在だ」。いの一番に手兵の東響コーラスへの厚い信頼を語ったノット音楽監督。最初に挙げた聴きどころも、彼らが難曲のリゲティ《レクイエム》を歌う7月の東京と川崎での定期演奏会だった。この演奏会は、ノットのプログラム構成の巧みさが象徴的。合唱はもう1曲、英国ルネサンスの作曲家トマス・タリスの、40声部からなる《スペム・イン・アリウム(我、汝の他に望みなし)》にも挑戦するが(オケの定期なのに、なんと無伴奏の合唱曲!)、その2曲を挟むのが、J・シュトラウスIIのワルツ《芸術家の生涯》と、R・シュトラウスの《死と変容》だ。後者は、死の床の芸術家による人生の回想。プログラム全体を、「二人のシュトラウス」「芸術家」「死」といったキーワードがふわりと覆う。ノットは、スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』の音楽に用いられたリゲティとR・シュトラウスを並べたかったとも(ならば、J・シュトラウスもまた然り)。そしてさらに、来シーズンのノットの最後の出演となる11月の東京オペラシティ公演でも、再びリゲティとR・シュトラウスが組み合わされる。1回の演奏会だけでなく、シーズンを通してもリンクが張られているという仕掛けだ。

また、拠点のミューザ川崎シンフォニーホール開館15周年記念公演(10月)は、シェーンベルクの大曲《グレの歌》。来年は読売日本交響楽団や東京都交響楽団など、なぜか《グレ》の当たり年だが、オケ・合唱ともに巨大編成が必要なこの作品の演奏機会は、普通は滅多になく、東京交響楽団が1986年以降、4回(全7公演)にわたって再演を繰り返しているのは特筆ものだ。

もちろん、シーズン幕開けの桂冠指揮者・秋山和慶による近現代フランス・プロ(4月)、1986年生まれの新鋭指揮者リオネル・ブランギルの登場(9月)、伝統の「第九と四季」を衣替えして単独で演奏する《第九》(12月)、正指揮者・飯森範親の現代プロ(2020年1月)、鈴木優人指揮のメンデルスゾーン版J・S・バッハ《マタイ受難曲》(2020年3月)など、注目公演、聴きどころはありすぎる。

「自分でも“うわっ、すごい!”と、あらためて感動するラインナップ」と笑うノット。変化に富んだ、そしてひねりの効いたシーズンの全貌は、ぜひ楽団のホームページで。なおこの日はほかに、スマートフォンやパソコンで東響の演奏を楽しめる音楽・動画配信サービス『TSO MUSIC & VIDEO SUBSCRIPTION』が同日からスタートしたことも併せて報告された。

取材・文:宮本明

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