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バロックもAIロボも─多彩な来季の新国立劇場
2019年01月18日 17時20分 [オペラ・声楽]
会見の模様 撮影:黒豆直樹

1月17日、新国立劇場(東京・初台)の2019/2020シーズン・ラインアップが発表になり、オペラ、舞踊、演劇の3部門併せての説明会見が開かれた。

オペラ部門は、芸術監督・大野和士の2年目。全10演目のうち新制作が4つ。その中身は、『ロシア・オペラ』『ベルカント・オペラ』『バロック・オペラ』『国際的な共同制作』。レパートリーの拡充と、世界の劇場への発信の道すじを探る大野の、熱心な取り組みが着実に形になる。4演目は次のとおり。

10月、シーズン開幕のチャイコフスキー『エウゲニ・オネーギン』。演出は、斬新な手法で知られるモスクワ・ヘリコン・オペラ総支配人ドミトリー・ベルトマン。主役のふたり、タチヤーナ役のエフゲニア・ムラーヴェワ(ソプラノ)とオネーギン役のワシリー・ラデューク(バリトン)は新国立劇場初登場だ。

「舞台には4本の柱。これは現代の演劇人に多大な影響を与えたコンスタンチン・スタニスラフスキーが『エウゲニ・オネーギン』の演出を手がけたオネーギン劇場を模したもの。それぞれに登場人物の象徴性が与えられる。斬新な演出と初登場のフレッシュな顔ぶれの歌手陣とで、ロシア・オペラを堪能いただけると思う」(大野=以下発言はすべて)

11月にはベルカント・オペラ、ドニゼッティ『ドン・パスクワーレ』。「ノリーナ役に世界的スター、ダニエル・ドゥ・ニース(ソプラノ)。美しく品のいい歌手。そしてあたたかい人間性。稽古場から客席まで、彼女がいるだけで雰囲気が一変するような稀有な才能の持ち主」

演出はステファノ・ヴィツィオーリ。ミラノ・スカラ座で手がけたこの《ドン・パスクワーレ》は彼の代表作のひとつだ。2020年4月はヘンデル『ジュリオ・チェーザレ』。バロック・オペラの本格上演は、芸術監督就任時からの大野の公約だ。今後、2シーズンに1演目ずつ上演する。「世界的バロック指揮者リナルド・アレッサンドリーニの招聘に成功した。チェーザレ役には、若い、美声のアイタージュ・シュカリザーダ(メゾ・ソプラノ)。クレオパトラにミア・パーション(ソプラノ)、そしてトロメーオにわが藤木大地さん(カウンターテナー)。この3つの役が重要なので、こだわって配役した。ロラン・ペリー演出の豪華な舞台は、劇場初のバロック・オペラにふさわしい、祝祭的な意味を持つ」

そして既発表の、シーズン最後、6月のワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》。『オペラ夏の祭典2019-20 Japan⇔Tokyo⇔World』と名付けた、新国立劇場、東京文化会館、ザルツブルク・イースター音楽祭、ザクセン州立歌劇場による国際的な共同制作プロジェクトだ。

またこの日、2020年8月の特別企画、「子供オペラ」新制作上演が発表された。オペラ、舞踊、演劇、3部門のコラボは劇場初。AIロボットも出演するという、「新しいオペラのあり方、未来のオペラ展望」(大野)に注目が集まるのは間違いない。

取材・文:宮本明

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