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KAATの2019年度は「体力の限界に挑戦するような年」
2019年02月14日 13時25分 [演劇]
KAAT神奈川芸術劇場 2019年度ラインナップ発表会

KAAT神奈川芸術劇場の2019年度ラインナップ発表会が行われ、同劇場で4年目の芸術監督を務める白井晃と、19年度の主催公演を担う小金沢健人、多田淳之介、松井周、山本卓卓、森雪之丞、渡邉尚、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、杉原邦生、長塚圭史、山田うんが登壇した。

冒頭で白井は「KAATという劇場は東京から“近くて少し遠い”という場所にあります。(だからこそ)できるだけオリジナリティのある劇場の特色を出していきたいと、演劇、ダンス、身体表現、現代美術、音楽、そういったアートが複合的にある劇場を目指してプログラムを組んできて、徐々にそのような空気がつくれてきたかなと自負しております」とコメントした。

まずは演劇作品に携わる面々が登壇。白井が「以前、衝撃的な『カルメギ』を上演していただいた多田さんにぜひまた新作をつくっていただきたいとお願いしました」という多田、「松井さんと“世の中に全体主義が蔓延してきている。そういう作品をつくれないだろうか”と話し、この作品を選びました」という松井、「雪之丞さんからご提案を受け、これは日本から出発するミュージカルとして楽しいものになるんじゃないかと思い、ぜひやらせてくださいと実現しました」という森、「3年前からお声がけしていまして、やっとKAATでつくっていただけることになりました」というケラリーノ・サンドロヴィッチ、「大変な作品だと思います。この巨大な作品に若き杉原くんが臨んでくれるということを私も楽しみにしています」という杉原、「以前からこの『常陸坊海尊』をぜひとも長塚さんに演出してもらいたいと提案していて、やっと実現することになりました」という長塚、そして白井自身から作品の紹介が行われた。

続いて美術、キッズプログラム、ダンス作品に携わる面々が登壇。白井が「小金沢さんの作品に入り込むと日常的にはないような感覚があります」という美術作家の小金沢、「主催公演でお願いする演出家では最年少です。私たちの世代からすると思いがけない映像の使い方で特色豊かな演出をされます」という山本、「以前『頭と口』の作品を観て“地に沈んでいくジャグリング”という驚異の概念を突きつけられて本当に驚きました」という渡邉、「20年前にオリンピックのムードを感じて書かれたこの作品を、ダンス的なアプローチで上演していただきたいとお願いしたら“2パターンつくる”というすごいお返事をいただきました」という山田から作品の紹介が行われた。

主催公演の本数からも「KAATの体力の限界に挑戦するような1年」(白井)という2019年度に期待したい。

取材・文:中川實穗

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