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アガサ・クリスティの長編推理小説『オリエント急行殺人事件』の舞台化作品が、7・8月に日本へ初上陸する。2017年にリバイバル映画が公開され、同年にはケン・ルドウィックの脚本でアメリカにて初演された本作。河原雅彦が演出を手がけ、小西遼生が主演を務める今回の日本版にキャスティングされた、乃木坂46・伊藤純奈に話を聞いた。
ビジュアル撮影だったこの日、伊藤は“若く麗しい貴婦人”ことアンドレニ伯爵夫人の装いで取材に応じた。オファーの率直な感想を尋ねると、本作の上演期間が乃木坂46の全国ツアーに重なっており「お引き受けするか葛藤しました」と吐露。だが次第に「ベテランのスタッフやキャストの皆さんが勢揃いする恵まれた環境でストレートプレイの経験を積みたい」気持ちが芽生える。そこで最終的には所属事務所のスタッフと話し合い出演することに決定。作品に懸ける強い思いをにじませた。
アンドレニ伯爵夫人は、ケネス・ブラナーが監督・主演した2017年の映画を観て「演じるならこれ」と伊藤が密かに狙いを定めていた役。映画では常に夫に守られる、闇を抱えた繊細な役どころだが、舞台の脚本を読んで「知的で上品、しっかり者の女性像が浮かびました」と分析する。主人公・名探偵ポアロのそばで事件解決の手助けをするシーンも控えるらしく、映画とは180度異なる人物像に筆者が驚きの声を上げると「医大生なんですよ」と畳みかけた。「舞台にはオリエント急行に同乗する旦那さますらいません。ひとりで長旅に出る、リバイバル映画とはひと味違った伯爵夫人をご覧ください」とアピールも欠かさない。
本作は1934年の出版以降、何度も映像化された偉大なタイトル。結末を知る原作ファンにも楽しんでもらえるよう、伊藤は「謎解きや伏線の回収以外にも見どころを散りばめられたら」と意気込む。「今日はポアロ(探偵)視点で観たから次は伯爵夫人に注目しよう、みたいにひとりひとりの登場人物に細かくフォーカスしてみていただきたいです」と複数回の鑑賞をオススメしつつ、自身は「セリフがない時の“オフ芝居”に注力します」と笑ってみせた。
公演は、7月26日(金)から28日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。その後、8月1日(木)・2日(金)に愛知・ウインクあいち 大ホール、8月9日(金)から18日(日)まで東京・サンシャイン劇場と巡演する。チケットの好評発売中。
取材・文:岡山朋代
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