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「音楽のまち」を街づくりのテーマに掲げる川崎市。「ジャズは橋を架ける」を合言葉に5回目の開催となる「かわさきジャズ」は、9月から11月にかけて市内全域をステージに行なわれる、有料無料あわせて約50公演を核とする都市型フェスティバルだ。7月8日にミューザ川崎にて、出演者の国府弘子(ピアノ)、文梨衛(ふみなしまもる・サックス)と、顧問の福田紀彦・川崎市長らが出席して概要の発表会見が行われた。
フェスは3つのミッションを軸とする。「音楽公演」「地域連携」「人材育成」。人気ミュージシャンが名を連ねる音楽公演が音楽の架け橋なら、商店街や企業とのコラボによるさまざまな地域連携企画が街と人に橋をかけ、学校や公共の広場などで行なわれるワークショップやレクチャーは、音楽の未来へ橋をかける人材育成だ。フェスのメインとなるのは11月7日(木)〜17日(日)に開かれる9つの音楽公演。公共ホールやライブハウス、ショッピングモール、市内の音楽大学などを会場に、スタンダードからボーカロイドまで、個性的な公演が目白押しだ。今年は若手奏者や女性アーティストが多数出演するのが目を引く特徴で、幅広い世代のファンが楽しめるラインナップとなっている。
ミューザ川崎の「佐山雅弘メモリアル・コンサート」(11月16日(土))は、昨年急逝したジャズ・ピアニスト佐山雅弘の追悼コンサート。彼が発掘した若手プレーヤーたちや、特別編成のトリビュート・バンド(ゲスト・ヴォーカル:May J)が集まり、誰からも愛された佐山の人柄を偲ばせる一夜になるにちがいない。かつてミューザで、佐山が仕掛け人となって実現した「ジャズピアノ6連弾」からの4人のメンバー、国府弘子、小原孝、塩谷晢、佐藤允も出演。会見に出席した国府弘子は次のように語った。「なんとも酔狂でゴージャスなコンサートに、佐山アニキに呼んでもらった。その同じステージの上で、4人で6人分の気持ちを込めてプレイしたい」
一方、昨年スタートした、冠レース開催とともにジャズ・ライヴが楽しめる「川崎競馬ジャズナイト」(9月6日(金))や、生演奏とともに海から人気の工場夜景を眺める「ジャズクルーズ」、川崎駅周辺の店舗やストリートをまるごとジャズで染める「ジャズ・ジャック・デー!」(11月16日(土))などの好評企画はもちろん今年も。これらの地域連携プロジェクトを盛り上げるのが、「キーアーティスト」に任命されている若手サックス奏者で、会見のもう一人の出席ミュージシャンの文梨衛だ。地元川崎出身。祭りに若い力は欠かせない。
街に出ればジャズと出会える。川崎の秋は今年も熱い。
取材・文:宮本明
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