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海辺の別荘に集う、女達の16年の行方は……『フローズン・ビーチ』開幕
2019年07月17日 12時00分 [演劇]
プレビュー公演の模様

7月12日に神奈川でプレビュー公演が開幕した、KERA CROSS第一弾『フローズン・ビーチ』。ケラリーノ・サンドロヴィッチが岸田戯曲賞を受賞した戯曲を、鈴木裕美が演出する。出演は、鈴木杏、ブルゾンちえみ、花乃まりあ、シルビア・グラブ。これから25日(木)に新潟公演のち、28日(日)に福島、31日(水)から東京・シアタークリエ、その後、大阪、静岡、愛知、高知、香川にて上演される。ひと足先に開幕したプレビュー公演では、その丁寧に手がけられた作品に大きな拍手が起こった。

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物語が起こるのは、大西洋とカリブ海の間に浮かぶリゾートアイランド。1987年にはようやく電話がひかれたばかりだった島の、海の音が聞こえる別荘に、女性達が集まってくる。別荘の持ち主である資産家・梅蔵の娘、萌(花乃)は心臓が弱い。その双子の妹・愛(花乃/二役)を訪ねてきた親友の千津(鈴木)とその友人の市子(ブルゾン)。ふたりはバカンスに来ているようでもあるが、なにやら思惑があるようで……。

軽快な会話に、客席からは笑い声があがる。一見コメディだが、女達それぞれが不穏な思いを抱えている。みんなでリビングにいる時にはニコニコ笑っていても、誰かと誰かがふたりきりになると実は……と隠されていた思いが垣間見え、まるで覗き見しているような気持ちになる。

そこに、遠出をしていたはずの萌と愛の義理の母・咲恵(シルビア)が予定より早く帰ってきたことで、それぞれの思惑が予想外の方向へ走り出す。5人の女はどうなっていくのか。1987年、1995年、2003年と、彼女たちの8年毎の変化を、観客は追っていくことになる。

舞台中央に、大きなバルコニーがある。そこから聞こえる波の音、そしてブルーと白を基調にしたこぎれいな部屋が、カリブの海を思わせる。美しく落ち着いた場所だからこそ、女達の情念がコントラストとなり際立つ。また、場面が変わるごとにスクリーンに映し出される絵本のようなイラストも、彼女達の滑稽さとコミカルさをつのらせる。生々しい感情を抱えた登場人物たちが、愛しいキャラクターに思えてくる。

4人の女優のバラバラな個性が、鈴木の丁寧な演出のうえで互いにぶつかり合う。動きだしてしまった運命は止められない。憎んだり、愛したり、心配したり、救われたりしながら交差する女達の16年はとてもスリリングで愛しい。いろんな面を持つ彼女達を見て、人間って面白いなと思えてくる、不思議で魅力的な舞台だ。

撮影:桜井隆幸

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