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本広克行『転校生』で「若手に脚光」、平田オリザ翻案の男子校版も
2019年07月24日 19時00分 [演劇]
2015年舞台「転校生」 撮影阿部章仁 写真提供株式会社パルコ

次代を担う女優21人が集結した2015年のPARCOプロデュース公演『転校生』が、今夏再び“若手発掘プロジェクト”として蘇る。しかも今回は俳優21人が新たに挑む、別バージョンの「男子校版」を携えて――。フルキャストオーディションを経て男女42人を選んだ演出の本広克行に、稽古前の意気込みを聞いた。

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制服姿のビジュアル撮影が行われていた取材日、本広はその様子をスマートフォンのカメラに収めて自身のSNSで発信するなど出演者に優しい眼差しを向けていた。キャストの共通項は「どこか品がある」。高校生の何気ない日常を“同時多発会話”で切り取った本作は、1994年に初演された平田オリザの戯曲。そこから受ける登場人物のイメージを「頭のよい私立の高校生で、校則をきちんと守りつつ影で悪さもしている」と置き、応募者総数2,128人の中から体現してくれそうな若手を選んだ。

男子校版は、観客の多くが女性である演劇界の現実を踏まえ「ニーズがあるのでは」と本広らが企画した。そこで平田は、女子高を舞台にした元の戯曲を翻案。カフカの小説『変身』をモチーフにしたオリジナルの「女子校版」と新たな「男子校版」が同時上演される。「朝起きたらこの高校の生徒になっていた」とひとりの転校生が教室に現れるストーリーはそのままに、「中島敦の短編『山月記』が下敷きになっています」と男子校版を紹介する本広。両作品のラストシーンでは「文化祭が終わる、部活を引退する時のような“切なさ”をエンタメに仕上げたい」と意欲を見せる。

もともと「若手にプロの現場経験を積ませてあげられたら」という思いで4年前に発足したこのプロジェクト。本広は今回も同じく、舞台経験の多寡が異なる各キャストに等しく脚光が当たるよう“育成”の場として本作を機能させる構えだ。役者は本読みを繰り返し、4〜5役を演じたあと希望の役に立候補する。その狙いを「周りを演じると自分の役が理解しやすいはず」と説明。今回も採用する、本広メソッドの一端を覗かせた。

最後に、本広は前作を「キャスティング担当や演出家が、若い才能と出会う“見本市”のようだった」と振り返る。今回はどんな輝ける原石が眠っているのだろうか。2015年の公演から巣立って現在の活躍を見せている伊藤沙莉、清水葉月のような存在を探しに、劇場を訪れてみては。

公演は8月17日(土)から27日(火)まで、東京・紀伊國屋ホールにて。チケット発売中。

取材・文:岡山朋代

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