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林家彦いちが語る、「実験落語neo」三遊亭円丈の魅力
2019年12月17日 19時11分 [寄席・お笑い]
林家彦いち  撮影:イシイノブミ
林家彦いち  撮影:イシイノブミ

新作落語のカリスマ、三遊亭円丈の「実験落語neo」第16弾が上演に。円丈の薫陶を受けてきた林家彦いちが出演し円丈と共に高座を務めるほか、彦いち曰く「カタルシスの塊」な円丈の名作『グリコ少年』の1980年のお宝映像も上映、円丈と彦いちによる振り返りトークを行う。

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「円丈師匠は僕にとって、20代の不安な時期に判子を押してくれ、創作落語の指針となってくれた方です」と彦いちは言う。

「初めてきちんとお話ししたのは、ネタ合評会の時。僕は『横隔膜万歳』というネタを考えたのですが、他の師匠が物語の運び方などを助言くださる中、円丈師匠は『君、横隔膜、外したいの?』『外したいならやったほうが良いよ』と。で、落語協会の2階で外す練習をしたんです。『3回撫でてみよう』『右回りだよ』なんてやっていたら、入ろうとした事務員さんがそっと扉を締めるのが見えて(笑)。僕が横隔膜の左のほうに手を当てて『うっ』と言ったところ『それでいいんだよ!』。外れた、という落語ができました」

彦いちが、主人公が轢き逃げに夢中になるというブラックな噺『最終宣告』を作った折には、円丈から喫茶店に呼ばれたという。
「『そういう感覚を大事にしなさい』と言われ、以後、作るネタは全部聴いてくださいました。否定されたことは一度もありません。突然、長い手紙をいただいたこともありますね。”君と僕は友達だ”で始まり、宇宙の話で終わっていました。それは宇宙であり君である、と。嬉しかったですね。どうご恩返しできるか考えていたら『僕ではなく後輩にしてあげて』と。この世界で一番大事なことを教わりました」

円丈による新作落語の実験会「応用落語」「第二次実験落語」「落語ジャンクション」に参加してきた彦いち。彼が三遊亭白鳥、春風亭昇太、柳家喬太郎と結成した話芸集団SWAもその延長線上に生まれたものだ。新作落語のパイオニアである円丈を、彦いちは砂漠にラスベガスを作ったベンジャミン・シーゲルのあだ名にちなんで「一人バグジー」と呼ぶ。
「師匠は、何もない荒野を切り開いた方。その下に水脈はあったにしても、それまでの創作落語とは一線を画すものを生み出し、落語というものに自由をもたらしたんです。第一次実験落語の頃は、客席の後ろから落語をしたり、懐からザリガニを出して噺に登場させたり、お客を川の両端に座らせて弟子のらん丈兄さんに川を流れながら落語をやらせたり、色々な実験をなさったそうです」

今年は彦いちにとって、芸歴30年、50歳の節目。
「後戻りはできないですよね。今、(若手噺家がエントリーして創作落語のネタおろしをする企画)『しゃべっちゃいなよ』を隔月でやっているのですが、苦しいけれど毎回、自分もネタおろししています。円丈師匠は戦っている背中を僕に沢山見せてくれた。僕もそれを受け継いでいきたいですね」

『実験落語neo〜あの頃のシブヤ炎上〜』は12/20(金)CBGKシブゲキ!!にて。当日券は17:50より劇場前で先着順販売予定。

取材・文:高橋彩子

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