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思いを込めて。美しき歌姫が架ける祈りの虹
2021年08月13日 20時00分 [オペラ・声楽]
森麻季(S)
(c)Goda

柔軟な表現力と、それを可能にする巧みな技術。彼女の歌を聴くといつも幸福な気持ちになる。ソプラノの森麻季がライフワークとして取り組むリサイタル・シリーズ「愛と平和への祈りを込めて」が今年も9月に行われる[9月12日(日)東京オペラシティコンサートホール]。
2001年9月、ワシントン・ナショナル・オペラ《ホフマン物語》にオランピア役で出演しているとき、米国同時多発テロに遭遇した。数年後、広島の原爆記念公演で歌った舞台上で、抑えきれずにさまざまな思いが込み上げてくるのを経験して、節目ごとに祈りの気持ちと向き合うこの企画を準備。スタートしたのは、はからずも2011年、東日本大震災の半年後の9月だった。
「今年で11回目。その間も毎年のように、どこかで災害があったり、海外では戦争が起こったり。それなのに私たちは忙しい毎日の中で、それに向き合う機会がなかなかありません。音楽を通して、つらい体験をされた方々に思いを馳せ、一緒に前を向いて生きる気持ちになれるような、一人ひとりが平和に感謝する2時間にしていただければと願っています」
今回はアニヴァーサリー・イヤーの作曲家を軸に据え、ロシア音楽も初めて集中的に取り上げる。
「このリサイタルは毎回、新しいことに挑戦する緊張感もあって、私自身の1年の節目になっています。今回もほとんどが初めて取り組む作品ばかり。ツェムリンスキー(生誕100年)の《トスカーナ地方の民謡によるワルツの歌》は、コンサートではあまり演奏されないけれど、とても素敵な歌です。
ロシアの音楽は憂いや悲しみがあって、日本人の琴線に触れる魅力があります。あえてヴォカリーズを2曲。有名なラフマニノフの《ヴォカリーズ》とグリエールの《コロラトゥーラ・ソプラノのための協奏曲》。グリエールは一度聴いてすっかり惚れ込んでしまいました。旋律だけで聴く方それぞれの情景を浮かべながら、ロシアの音楽の魅力を楽しんでもらえたらと思います。
でもこのプログラム、聴いているぶんには素敵なのですが、全部を歌い切るのはかなり大変なんです(笑)」
コンサートには「虹の彼方に」という副題が付けられている。
「虹は幸運の印。アメイジング・グレイスからストラヴィンスキーまで、虹のように色とりどりのキャラクターの曲を楽しんでいただけると思います」
雨が降るから虹が出る。彼女の歌が美しい祈りの虹を架けてくれるはずだ。
(宮本明)

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