歌手加藤登紀子(72)が11日、7月に死去した永六輔さん(享年83)の未発表の詩を歌う曲「ともだち あなた 戦う心」のレコーディングを行った。

 同曲は13年5月に永六輔さんから加藤に贈られた1番だけの詩に、加藤が2、3番の詩と曲を付けたもの。加藤にとっては、最初で最後の永六輔作品となった。「永さんから詩をいただいてすぐに曲を付けて返しました。でも、永さんの体調が思わしくなくて、そのままになってしまった」と経緯を話した永六輔さんの訃報を聞いた加藤は「このまま残っちゃったなぁと思った」と話したが、「永さんとは仲が良かったけど、仕事仲間という感じはなかった。1つでも仕事がしたいと思って」と同曲を完成させた。「サブタイトルで『永六輔からの伝言』と付けようと思っている」という構想も明かした。

 同曲は3曲入りミニアルバムで11月末に発売され、12月3日沖縄公演で開幕する「ほろ酔いコンサート2016」で初披露される予定だ。

 永六輔さんとの思い出を約30分にわたって話した加藤。最後に「永さんは私にとって先生だった。人知れず教えを授けてくれた」と話すと、感慨深げに目を閉じた。