大相撲名古屋場所13日目(20日、愛知県体育館)、関脇御嶽海(25=出羽海)が大関豪栄道(32=境川)を送り出して1敗を堅持。初優勝に王手をかけた。取組後は「気持ちだけはしっかり余裕を持っていたし、相手もしっかり見えていたので。はまりました。上位に勝った? 大きいと思う」とうなずいた。

 前日12日目は大関高安(28=田子ノ浦)に敗れ、初日からの連勝が11でストップ。この日の朝稽古後には「連勝しても(番付の)上とやって負けたら自分も物足りないし、周りも物足りない。勝ってナンボ。内容は内容。この世界は結果がすべて。それで(大関が)カド番から落ちることもあるし、助かることもある」と勝負の世界に生きる覚悟を口にした。

 黒星の映像は「見ましたよ。負けた相撲もちゃんと見ている。前は見なかったけれど」。御嶽海が「自分がカッコイイところを見たい」と言う通り、自分のぶざまな姿は振り返りたくないのが人情。負けた現実としっかりと向き合うことで、この日の大関撃破につなげた。御嶽海は「今日はカッコイイ自分がいる? いるでしょう。120%」と言い切った。

 14日目は幕内栃煌山(31=春日野)に勝つか、3敗力士の2人が負ければ優勝が決まる。「自分の相撲をしっかり取ればいけるんじゃないかと思う」。長野県出身者が抱いたことがない天皇賜杯は目前だ。