androp:ドラマ主題歌も話題の4人組バンド 上白石萌音との意外な縁とは?

連続ドラマ「グッド・ドクター」の主題歌「Hikari」をリリースしたandropの(左から)前田恭介さん、内澤崇仁さん、佐藤拓也さん、伊藤彬彦さん
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連続ドラマ「グッド・ドクター」の主題歌「Hikari」をリリースしたandropの(左から)前田恭介さん、内澤崇仁さん、佐藤拓也さん、伊藤彬彦さん

 山崎賢人さん主演の連続ドラマ「グッド・ドクター」(フジテレビ系)の主題歌として話題の新曲「Hikari」を8月29日にリリースした4人組ロックバンド「androp(アンドロップ)」。これまでも、中谷美紀さん主演ドラマ「ゴーストライター」の主題歌や、岡田将生さん&木村文乃さんダブル主演映画「伊藤くん A to E」の主題歌などを手がけるほか、ボーカルの内澤崇仁さんは、柴咲コウさん、上白石萌音さん、映画「君と100回目の恋」の劇中バンドでmiwaさんがボーカルを務める「The STROBOSCORP」などに楽曲を提供したりと、幅広い活動を行っている。最新曲「Hikari」で注目を集めるandropのメンバーに、バンド結成秘話や楽曲提供を含む活動歴などについて聞いた。

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 ◇曲作りの原点は地元・青森のあの有名人

 ――内澤さんは青森県出身で、地元で組んだバンドで上京した当時はボーカルではなくギター担当だったそうですが、曲作りのルーツや作詞・作曲で影響を受けた人は?

 内澤さん(ボーカル&ギター):青森に伊奈かっぺいさんというギター漫談師みたいな方がいらっしゃって、津軽弁で面白いことをしゃべるんですよ。もともとは青森放送の社員だったらしいんですけど、しゃべりが上手なのでそういう活動をしている。小学校低学年のころに伊奈かっぺいさんがすごく好きで、彼のCDを聴いたり、その言葉遊びにハマッたのが言葉を深く考えるきっかけになっているんですけど、その伊奈かっぺいさんは恐らくさだまさしさんが好きで、その後、僕はさだまさしさんを聴くようになるんです。親が、さだまさしさんとか小田和正さん、「カーペンターズ」、松任谷由実さん、「安全地帯」とかが好きで家で流れていたので、その影響で、さだまさしさんをきっかけにいろいろ聴くようになっていきました。

 作詞作曲は、それも小学校低学年くらいだったと思うんですけど、弟と一緒に童話を聞くのが日課になっていて、弟を喜ばすために、その童話の前後にオープニングテーマとエンディングテーマを付ける、というのをやっていて。それが最初だったと思います。

 ――上京後、内澤さんがライブハウスで活動していたときに知り合ったのが今のメンバーだそうですね。

 内澤さん:みんなでスタジオに入って、音を合わせたらすごくいい感じだったので、それが始まりというか。僕がその曲を作った意図みたいなところまでくみ取ってくれているのかなって感じたんですよね。

 伊藤彬彦さん(ドラム):そのときにもらった内澤くんのデモは、およそドラマーが考えつかないようなパートのアレンジだったり、すごく作り込まれたものでした。ゼロから自分が何かを生み出すというよりは、そこにあるものに対してどうアプローチできるか、みたいな感覚だったので、これはすごくチャレンジしがいがあるバンドだなって。

 前田恭介さん(ベース):曲の世界観を表現するために必死に頑張らなきゃなっていうのはいまだにですけど、当時は「もっともっと必死」でしたね。最近は「普通に必死」ぐらいですね(笑い)。

 ――andropというバンド名の由来は?

 内澤さん:「and」と「drop」をくっつけた造語。「and」は「~と」、「drop」はうれしいときや悲しいときに出てくる「涙」とか、どんなものにでも形が変わる「滴」的な意味合い。自分たちの音楽も、そんなふうに感情にくっついたらいいな、聴く人の感情につながるものであってほしいなと思って「androp」にしました。造語にしたのは、自分たちの音楽活動によってその造語に意味合いを付けていけたらなと思ったので。それも、読みやすくて分かりやすいものがいいなと思ったんです。

 ◇上白石姉妹が差し入れ持参でライブに

 ――内澤さんは、柴咲コウさん、miwaさん、上白石萌音さんなどさまざまな方への楽曲提供もされていますが、最近、お仕事をご一緒されたという上白石さんとの印象的なエピソードは?

 内澤さん:実はバンドとして初めてタイアップ(主題歌)というものをやったのが、上白石萌音さん、萌歌さん、浜辺美波さんらも出ていた「空色物語」(2012年DVD発売)というショートムービーだったんです。自分たちの曲を使ってもらったっていうのがすごく印象に残っていて、試写のときにキャストの人たちとあいさつしたのが初めてで……。

 佐藤拓也さん(ギター&キーボード):それから、(上白石萌音さん、萌歌さんの)お2人がたぶんまだ鹿児島の実家に住んでいらっしゃるころ、僕らがツアーで鹿児島に行ったときにご両親とライブに来てくれて、焼酎をいただいて(笑い)。

 内澤さん:最近のご活躍は陰から見てましたけど、あれから6、7年ぶりくらいに(今回の楽曲提供で萌音さんと)再会しまして。当時からすごく凛(りん)としているというか、しっかりしている方だったので、久しぶりにお会いしても、やっぱりしっかりしている、というたたずまいで、そのオーラから受ける影響はあったりします。androp以外のところで音楽に触れたり、音楽のことをするのは「自分たちのバンドには何が足りないんだろう」みたいなことを考えるきっかけにもなるので、毎回、刺激的ですし、勉強になりますね。

 <プロフィル>

 ボーカル&ギターの内澤崇仁さん、ギター&キーボードの佐藤拓也さん、ベースの前田恭介さん、ドラムの伊藤彬彦さんによる4人組ロックバンド。2009年にアルバム「anew」でデビュー。中谷美紀さん主演ドラマ「ゴーストライター」の主題歌「Ghost」(15年発売の6枚目シングル)、岡田将生さん&木村文乃さんダブル主演映画「伊藤くん A to E」の主題歌「Joker」(18年1月発売の9枚目シングル)などを担当。ボーカルの内澤さんは、柴咲コウさんの「EUPHORIA」「ラブサーチライト」、上白石萌音さんの「ストーリーボード」、映画「君と100回目の恋」の劇中歌でmiwaさんがボーカルを務める劇中バンド「The STROBOSCORP」の「アイオクリ」など、数々の楽曲を提供している。

 (インタビュー・文・撮影:水白京)

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