木城ゆきとさんの人気マンガ「銃夢(がんむ)」をハリウッドで実写化した映画「アリータ:バトル・エンジェル」(ロバート・ロドリゲス監督)が22日、TOHOシネマズ日比谷(東京都千代田区)ほかで公開された。「タイタニック」(1997年)や「アバター」(2009年)など映画史を塗り替えてきたトップクリエーターのジェームズ・キャメロンさんが脚本・製作を担当したことも話題で、3DCGで描かれたサイボーグ、アリータの生き生きした表情とありえないアクションに目がくぎづけになった。
ウナギノボリ
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「銃夢」は、1990~95年にマンガ誌「ビジネスジャンプ」(集英社、休刊)で連載され、その後2000~14年に続編「銃夢 LastOrder」が「ウルトラジャンプ」(同)と「イブニング」(講談社)で連載された。現在はシリーズの最終章「銃夢火星戦記」が「イブニング」で連載されている。アニメ化もされた。
“支配する者”と“支配される者”の二つの世界に分断された謎めいた遠い未来が舞台。サイバー医師のイド(クリストフ・バルツさん)は、がれきの中から少女の人形の頭部を拾う。彼女は300年前のサイボーグであり、なんと脳は生身のまま生きていた。イドは、過去の記憶を失っていた少女に新たな機械の体を与え、アリータと名付けて成長を見守る。ある日、自分の中に並外れた戦闘能力が眠っていることに気づいたアリータは、自分が300年前に失われたテクノロジーで作られた“最強兵器”だと知る。アリータは与えられた自分の命の意味を見つけるため、また、二つの世界の秩序を揺るがすために立ち上がる……というストーリー。
日本語吹き替え版では、女優の上白石萌音さんがアリータの声優を務めるほか、イド役に森川智之さん、青年ヒューゴ役に島崎信長さん、「モーターボール」の支配者ベクター役に鶴岡聡さん、アリータに敵対心を持つ非道なハンター戦士ザパン役に神谷浩史さんらが出演する。
アリータはサイボーグだが、怒ったり、恥じらったり、恋をしたりする。そして涙も流す。最初はその大きすぎる目に若干違和感を感じたが、ストーリーが進むうち、その目がアリータの心情を如実に表しており、思わず引き込まれ、共感してしまった。アクションも見応えがあり、とくに球を奪い合う格闘技「モーターボール」のシーンは、格闘技に加え、スピード感もあり、一時も目が離せなかった。イドとの親子関係やヒューゴとの切ない恋、キスシーンなど人間ドラマ、恋愛ドラマ、青春ドラマの要素もあり、極上のエンターテインメント作品に仕上がっていることは間違いない。(細田尚子/MANTAN)
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